ユビキチンリガーゼFbxo22によるリジン脱メチル化酵素KDM4B制御が乳癌および子宮内膜癌の発癌と治療に果たす役割について解析した。その結果、AKTによるKDM4Bのリン酸化が、Fbxo22によるKDM4Bのユビキチン化を阻害し、KDM4Bを介したエストロゲンシグナルを助長した。キナーゼXがKDM4BのDNA2本鎖損傷部位への集積に重要で、その阻害剤により、DNA修復が抑制され、相同組換え修復不全を有する細胞と合成致死が生じた。タモキシフェンによる子宮内膜の変化では野生型が増殖症にとどまるのに対し子宮内膜上皮特異的なFbxo22-cKOマウスでは全例に異形性増殖症ないし内膜癌の発症を認めた。
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