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2020 年度 実績報告書

PDX-3D法を用いた創薬ライブラリ構築と新規膵癌治療薬探索

研究課題

研究課題/領域番号 20H03754
研究機関九州大学

研究代表者

水元 一博  九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)

研究分担者 岩本 千佳  九州大学, 大学病院, 特任助教 (10752842)
水内 祐介  九州大学, 大学病院, 助教 (20849088)
仲田 興平  九州大学, 大学病院, 講師 (30419569)
藤田 逸人  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40611281)
中山 宏道  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80866773)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード膵癌 / 癌関連線維芽細胞 / 化合物スクリーニング / PDXマウス
研究実績の概要

膵癌細胞周囲には膵星細胞(Pancreatic Stellate Cell; PSC)と呼ばれる間質細胞が存在し、癌間質相互作用により癌細胞の浸潤、転移を促進しているが、この活性化にはオートファジーが関与していることを世界に先駆けて報告した。また既存のオートファジー阻害剤であるクロロキンとERK阻害剤の併用で膵癌再発患者の肝転移が著明に抑制されることが示され (Nat Med. 2019)、オートファジー阻害剤を用いた膵癌治療は臨床応用への段階に突入しているが、臨床効果発現にはクロロキンの必要量が多く副作用の懸念が残るため、治療応用可能なオートファジー阻害剤の開発が急務と考えられる。そこで 本研究では患者腫瘍移植マウスモデル(patient-derived xenograftモデル;PDXモデル)ライブラリを作成し、得られたライブラリからオルガノイドを作成、間質細胞との共培養で癌局所微小環境を再現したスクリーニング系を構築し、新規膵癌治療薬、ひいてはオートファジー阻害薬を開発することを目的とした。初年度は当科で施行した膵癌手術検体を用いたオルガノイドを作成し、安定して継代が行えることを確認した。また、膵癌オルガノイドとPSCを共培養し、形態および増殖能を単培養群と比較したところ、分化度に応じた形態変化を認めた。また、PSCとの共培養群では有意に増殖が促進され、PSCからの分泌因子がオルガノイドの増殖に寄与することが示唆された。今後は症例数を増やし、化合物スクリーニングに使用できるオルガノイドの選定と実際のスクリーニングを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はヒト膵癌組織を用いてオルガノイド作成を行い、微小環境再現モデルの維持に必要な因子の特定を行った。PDXマウスモデルの作成準備も整っており、今後は複数の検体から作成を行い、得られたマウスの腫瘍からのオルガノイド樹立と継代の手技確認、及びスクリーニングに使用できるようライブラリを作成する予定である。

今後の研究の推進方策

PDXマウスの作成を進め、得られた腫瘍からオルガノイドを作成し当科独自のバンクを作成する。この中からスクリーニングに用いるオルガノイドとPSCを選定し、癌微小環境を再現したモデルを使用した化合物スクリーニングを行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Efficient Targeted Therapy for Pancreatic Cancer Using Nanosystem and Focusing on the Suppression of Pancreatic Stellate Cell Activation2020

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto S, Nakata K, Ikenaga N, Date S, Guan W, Sagara A, Ohuchida K, Ohtsuka T, Nakamura M
    • 学会等名
      14th World Congress of International Hepeto-Pancreato-Biliary Association
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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