研究課題
免疫チェックポイント阻害剤の登場により腫瘍免疫の理解はますます重要となっており、さらに癌におけるmicrobiomeは癌治療・癌化学予防のtargetとして注目を集めている。実際に食道癌組織中にFusobacterium nucleatumが存在することをfluorescence in situ hybridization(FISH)で確認した。さらに、Fusobacterium nucleatumと腫瘍浸潤リンパ球(tumor infiltrating lymphocyte; TILs)の関係を検証した。すると、Fusobacterium nucleatum陽性症例ではTILsが有意に少ないことが明らかになり、Fusobacterium nucleatumが腫瘍免疫抑制に寄与している可能性が示唆された。この結果を論文化し、British Journal of Cancer誌に掲載された(Br J Cancer. 2023 Apr;128(6):1155-1165)。特に、CD3 T細胞が抑制されていることが明らかになり、今後その他の免疫細胞[腫瘍関連マクロファージ、骨髄由来抑制細胞(MDSC)など]に関して解析を進めている。さらに、Fusobacterium nucleatumが腫瘍免疫に影響を与えるメカニズムを解明すべく、癌細胞株の共培養実験を行った。それにより、Fusobacterium nucleatum が核内レセプターであるNOD 1を介して、NFKB pathwayを活性化し、癌細胞の悪性度の獲得に繋がることが明らかになった。In vivoでの検証も行い、Cancer letters誌に報告した(Cancer Lett. 2022 Apr 1;530:59-67)。現在は、このpathwayを介した腫瘍免疫との関連を明らかにすべく検証を行っている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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