慢性炎症が多くの癌の浸潤や転移に寄与していることは知られているが、その詳細なメカニズムは未だ不明である。本研究では、オルガノイド培養、CRISPR/Cas9システム、網羅的解析などの新しい技術を用いて、ドライバー遺伝子の変異や炎症性再生シグナルが、がん細胞が産生するサイトカイン、ケモカイン、増殖因子の産生をどのように制御しているのか、また、これらの分子が腫瘍微小環境における慢性炎症や抗腫瘍免疫にどのような影響を与えているのかを検討した。そのために、大腸癌の多段階発癌仮説において重要な癌遺伝子や癌抑制遺伝子を変異させた遺伝子改変オルガノイドを樹立し、その遺伝子発現を解析した。
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