肺がん切除標本から肺腫瘍オルガノイド(LTO)を樹立法を確立し、臨床病理学的特徴や遺伝子解析、薬剤感受性の評価を行った。79名の患者から53のLTOが確立され、形態、免疫染色、遺伝子変異等でLTOは親腫瘍の特性をよく反映していた。LTOの長期継代可能症例は、予後不良と相関していた。ドライバー遺伝子に関してはEGFRエクソン20 挿入変異1を含む7つの変異が検出された。エクソン30変異細胞はオシメルチニブに感受性があり、この情報をもとに患者をオシメルチニブで治療したところ良好な臨床効果が得られた。これらの結果は、LTOが腫瘍のモデルとして感受性テスト等、治療戦略開発に有用であることを示している。
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