本研究チームは、千葉大学医学部の生命倫理審査委員会での承認が得られた後から平成31年3月まで、国内の複数施設に協力を得て、大規模な日本人敗血症コホート(約 800症例)を作成し、敗血症GWASを目的とした血液検体・詳細な患者臨床データの収集をおこなってきた。そして令和元年度より、収集した敗血症患者の全血中の白血球よりgenomic DNAを抽出し、そのDNAをSNPアレイ(Illumina Infinium Omni2.5 Exome-8)を用いて250万箇所のゲノムワイドSNPsのgenotypingを行 なった。令和2年度、このゲノムワイドSNPs のgenotyping raw dataに関し最終的なGWAS解析の準備の解析を行い、GWAS解析用SNPsデータセットを最終化した。またGWAS解析用の臨床データに関してもmissing dataの再確認などを行い、臨床データセットの最終化し、GWAS解析準備を完了した。令和3年度、これらの網羅的なSNPs genotypingデータを用い、死亡をoutcomeとしたGWAS解析を行った。GWAS解析結果では、マンハッタンプロットで敗血症の死亡転帰に関連する4箇所の遺伝子座にピークを認めた。これまで敗血症に関して本研究と同規模のGWAS報告は数報しかない。令和4年度、敗血症GWASの既報に加え、炎症性疾患や感染疾患に関するGWASの中で、今回検出された遺伝子座に関する既報を調査し、一部オーバラップする部分を同定した。令和5年度は、カナダ敗血症コホートのGWAS研究で敗血症との関連が発見されたSVEP1遺伝子に関して遺伝子改変マウスを用い敗血症とSVEP1の関係性について新規実験結果を得た。現在、さらにマウス実験を実施中である。
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