研究課題
敗血症誘発後1-2週目に、生存マウスにおける行動解析を、(1)身体的評価のための握力テスト(GST)とトレッドミルテスト、(2)認知的評価のための新規物体認識テスト(NORT)、(3)メンタル評価のためのオープンフィールドテスト(OFT)とマーブル埋没テスト(MBT)の行動テストで同時に評価した。生存したマウスは、非敗血症マウスと比較して、GSTでは握力が有意に低下し、トレッドミル試験での総走行距離が減少していた。またOFTでは中心部にいる時間が有意に減少し、不安と活動低下が増加した。さらにMBTではビー玉を埋める数が増加するなど、さまざまな障害を示した。以上より、敗血症マウスでは亜急性期において身体機能障害と精神障害を認めた。また、敗血症発症20日後、敗血症マウスはアストロサイトの数を回復させることができた。30日目には、敗血症マウスの大脳皮質において、IL-1βと腫瘍壊死因子(TNF)-αの発現レベルは正常レベルに戻った。
2: おおむね順調に進展している
計画的に進んでいます。
マウスPICSモデル作成とPICS病態生理解明を行う予定である。