研究課題
スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)依存性のリンパ節からのリンパ球の脱出を阻害するFTY720を投与した敗血症マウスでは、神経炎症の解消と抑うつ状態の緩和が遅れていた。敗血症マウスのFTY720投与有無による脳内T細胞の解析では、FTY720未投与マウスでは脳内で制御性T細胞(Treg)とTh2細胞の増加が見られたが、FTY720投与マウスでは30日目に脳内でTh17の増加が見られた。さらに、FTY720を投与した敗血症マウスでは、大脳皮質のアストロサイトの数が30日目に減少したままであった(Saito, Inoue et al. Brain Behav Immun. 2021)。これらの結果は、浸潤したTregおよびTh2細胞が、敗血症の慢性期における神経炎症を解消することにより、SAEを軽減し、SAEが誘発する精神障害を緩和することに寄与することを示唆している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。