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2021 年度 実績報告書

ヒト高齢好中球サブタイプ機能評価による新規敗血症治療探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H03784
研究機関順天堂大学

研究代表者

平野 洋平  順天堂大学, 医学部, 准教授 (70621895)

研究分担者 岡本 健  順天堂大学, 医学部, 教授 (40347076)
田中 裕  順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (90252676)
近藤 豊  順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90642091)
末吉 孝一郎  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90648297)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード好中球 / 遊走 / ATP
研究実績の概要

昨年度からの研究を継続し、CXCR4陽性好中球(高齢好中球)の炎症性、接着能、遊走能の評価の一環として、ヒト健常者から採取された血液から好中球を分離後、0hまたは4h培養したものの2郡に分けたのち、それぞれの群でPBSまたはCXCR4のリガンドであるSDF-1を投与した場合の好中球表面のLFA1(インテグリンレセプター、接着に関与)、PMAP-1(細胞表面のATP、遊走能に関与)、及びTLR4(炎症性に関与)の発現レベルをフローサイトメトリーによる蛍光強度により評価を継続した(サンプルサイズの増加のため)。結果、4h培養された高齢好中球ではPMAP-1の発現量は時間経過のみでは増加傾向にあったが、統計学的に有意な上昇ではなかった。一方、SDF-1により刺激を加えると、0h,4hともにATPの発現量は有意に増加したが、4h(高齢好中球)においての方がよりATP発現の増加は有意に顕著であった。
また、健常者好中球と敗血症患者両者においてCXCR4陽性好中球とCXCR4陰性好中球の比較を行なったところ、CXCR4陽性好中球でATP発現は有意に増加していたが、敗血症患者においてはその増加が有意に顕著であった。ATPが好中球遊走に欠かせない因子であることが過去の報告で明らかになっていることからも、この結果は、人間においても高齢好中球phenotypeが、遊走性が高いphenotypeであることを支持するものであり、また敗血症患者においてもその現象が起こっていることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高齢好中球のphenotypeにおける接着能、遊走能の評価の継続(サンプルサイズの増加)とCXCR4陽性・陰性好中球フェノタイプの比較検討を本年度は中心に評価した。当初の研究予定の通りに進んでおり、研究計画は概ね順調に進展していると評価する。

今後の研究の推進方策

今後は好中球遊走能力が高齢好中球で増加していることを遺伝子レベルでも確認するため、0h,4h好中球のマイクロアレイによる評価を検討している。さらに並行して、好中球接着、遊走能、変形能をこれまでとは異なる手法で多面的に評価し、robustな結果であるかを評価する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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