研究課題/領域番号 |
20H03787
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
丸島 愛樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
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研究分担者 |
平山 暁 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (20323298)
鈴木 謙介 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20400674)
石川 博 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30089784)
揚山 直英 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 主任研究員 (50399458)
松丸 祐司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70323300)
池田 豊 筑波大学, 数理物質系, 助教 (70425734)
関 禎子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, NIMS特別研究員 (90773309)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯髄幹細胞 / 神経系細胞 / レドックスナノ粒子 / 脳梗塞 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
ヒト歯髄から歯髄幹細胞を作製し、神経系細胞に分化誘導した。歯髄幹細胞から分化誘導した神経系細胞は、神経幹細胞、未熟・成熟神経細胞、アストロサイトなどの中枢神経系細胞マーカー陽性であった。研究開発1では、E、及びNカドヘリン抗体を用いた培養法により、未成熟な神経細胞集団、あるいは成熟した神経細胞集団を作製することができた。 研究開発2では、神経系細胞を低酸素低グルコース負荷(OGD)培養モデルを確立した。レドックスナノ粒子の用量反応解析を行ったところ、レドックスナノ粒子は濃度依存性に神経系細胞の生細胞数を増加させ、アポトーシス細胞数を減少させ、神経細胞のミトコンドリアの活性酸素を減少させることを明らかにした。 研究開発3では、レドックスナノ粒子の至適用量を神経幹細胞、神経系細胞と混和して、マウス脳梗塞モデルに定位移植する行った。その結果、レドックスナノ粒子混和神経系細胞群では、神経系細胞単独の移植に比べて有意に移植神経系細胞の生存、生着率を上昇させた。 研究開発4では、レドックナノ粒子を用いた大動物の実験では、脳血管内治療技術を用いてサル脳梗塞モデルを確立した。レドックスナノ粒子を脳動脈内投与する技術を確立し、レドックスナノ粒子が脳梗塞病変部で血液脳関門を超えて、神経細胞を保護する可能性を組織学的に確認できた。アップルテスト等による行動評価法を確立した。 これらの研究課題の塞栓により、レドックスナノ粒子を用いた神経保護や細胞保護、及び再生医療の基礎的技術を確立し、臨床利用を見据えた新たな治療法の研究開発を行うことができた。以上、2021年度は予定通りの進捗であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯髄由来分化誘導神経系細胞、レドックスナノ粒子を用いて、研究開発課題の1から4まで、神経細胞集団の確立から、In vitro, In vivoの実験を予定通り実施することができた。研究開発2と3の成果は特許出願した。
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今後の研究の推進方策 |
研究開発1では、歯髄由来分化誘導神経系細胞の分化度の均一化と細胞製剤の確立する。研究開発2と3では、ODG条件下におけるレドックスナノ粒子による神経細胞の保護効果と作用機序、細胞内分布の検証をしており、マウス脳梗塞モデルに対するレドックスナノ粒子と細胞製剤の治療効果を検証し、その研究成果と発明を特許出願した。今後、PCT出願に向けて、さらなる有効性の評価と作用機序の解明を行う。 研究開発4では、ヒトへの細胞移植への応用を見据えて、サル脳梗塞モデルに対するレドックスナノ粒子の有効性、細胞製剤との移植の有効性についての検証を進める。
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