研究課題
本研究の目的は、高齢者の自立喪失の原因となり、生命予後も悪化させる「骨粗鬆症による脆弱性骨折」を予防するため、骨粗鬆症を早期診断して治療に導く人工知能(AI)診断システムを確立するための基礎研究を完成させることである。今年度は、以下の3つのサブテーマの検討を行った。1. 学習用データセットの作成:ROADプロジェクトおよび東京大学医学部附属病院の症例を用いたデータベースの構築を継続した。2. 骨密度推定用ニューラルネットワークの構築:腰椎・胸部X線画像と腰椎・大腿骨近位部骨密度実測値を組み合わせたデータセットについて5分割交差検証を行い、推定・判別精度を評価した。計画3 推定精度向上の工夫:複数のニューラルネットワークを複合させた学習(アンサンブル学習)を実施した。また、画像中の着目すべき領域をニューラルネットワークに学習させるためのAttention機構を導入した。さらに、画像上の各領域に意味付けを行うSegmentation機構を導入し、予め腰椎の領域を推定するニューラルネットワークを用意し推定領域をAttention機構に付け加えることで、腰椎への着目をより正確に行った。以上の結果は、骨粗鬆症を早期診断して治療に導く人工知能(AI)診断システムを創出するための基礎検討を推進するための確信を得るに十分な結果であった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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整形・災害外科
巻: 66 ページ: 1135-44