研究課題/領域番号 |
20H03801
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
関 庄二 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (00432112)
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研究分担者 |
野上 真紀子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (30750202)
牧野 紘士 富山大学, 附属病院, 医員 (50816022)
箭原 康人 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60456390)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 椎間板変性 / トランスジェニックマウス / c-fos/AP-1阻害薬 / sc-RNA seq / iPS細胞 / 髄核細胞 / 椎間板再生 |
研究実績の概要 |
我々は、椎間板変性を進行させるMMPs(Matrix metalloproteinase)の発現を阻害するADAMTS-5のsiRNAにより椎間板変性を抑制することを報告し(Arthritis Res Ther, 2009)、さらにその上流のc-fos/AP-1を阻害する薬 (T-5224)を使い椎間板変性、破壊抑制効果および疼痛軽減能力を発見した(Sci Rep. 2017)。さらに申請者らは近年scRNA-seq解析にて破骨細胞の起源の一部が、hematopoietic stem cell(HSC)でなく胎児yolk-sac (YS)に由来すること世界で初めて報告した (Nat cell biol, 2019)。本研究目的は、このCILP Tg(加齢モデル)と椎間板穿刺モデルを用い、T-5224投与後の疼痛軽減メカニズムを解明し、新規疼痛関連蛋白質の同定を行うことである。またサル椎間板穿刺モデルにおける椎間板修復効果および疼痛軽減効果を検証する。さらに椎間板が高度に破壊されたヒトを対象に、sc-RNA seq (single-cell RNA sequence) 解析によりヒト皮膚細胞よりiPS髄核細胞、線維輪細胞を作成し、スフェロイドで3D構築した椎間板組織を作成し、ヌードラットに移植し椎間板再生法の確立を目指すことである。今回我々は、ヒト皮膚細胞にKlf4, c-Myc, NOTO, SOX5,6,9遺伝子を導入しするdirect reprogramming法とアルジネートビーズ3次元培養の併用によりiPS髄核細胞を作成することに成功し、報告した(IJMS, 2022)。この方法を用いることで、ヒト皮膚細胞から直接髄核細胞を作成できるため、今後この細胞を変性椎間板に導入するcell therapyに用いることができ、今後の臨床応用を目指していくことが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度前半は、やや実験材料の遅れにより、予定通り進められないこともあったが、その後、令和3年度は実験材料の供給も問題なくなり予定通り順調に実験も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
sc-RNAseq解析によるiPS 髄核・線維輪細胞の樹立と3D椎間板構築 実際にヒトへの椎間板移植となると個人の髄核細胞の使用は難しく、また3Dでの椎間板組織の構築には、多量の細胞が必要である。そこでヒト皮膚細胞を髄核・線維輪細胞に分化させ、その細胞を用いて3D構築することが望ましい。そこでヒト皮膚細胞に2因子 (c-myc, klf4)および候補因子 (Sox5, 6, 9, Noto遺伝子) を導入しヒト皮膚細胞から直接髄核・線維輪細胞を樹立 (directreprogramming)することに我々は成功し、報告した。(IJMS, 2022)。ただこれだけでは、個々の髄核細胞のphenotypeにばらつきが存在する。そこで遺伝子導入後の細胞群から、髄核、線維輪細胞のsc-RNAseq解析によっていくつかの細胞集団に分類する。髄核特異的マーカーであるCD24とAGC陽性かつ、CD34 ,CD133の血球系マーカー陰性のシングルセルレベルの細胞集団 でcell typeをclustering を行う。このclusteringにはgene expression analysisにより主に髄核特異的遺伝子でかつ血球系特異的遺伝子が陰性の確実な髄核細胞のみピックアップする。すなわち発現遺伝子から細胞集団を特定してセルソートをすることにより単一な細胞集団を決定する方法を用いる。最後にRNA splicingパターンから lineage interferenceも行い最終的に髄核細胞になる集団、線維輪細胞になる集団をより効率的にピックアップする方法を検討する。また3D構築した組織強度が十分でない場合、PLGAのscaffoldを用いて3D構築も検討する。
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