研究課題/領域番号 |
20H03832
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山田 武千代 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (70283182)
|
研究分担者 |
海老原 敬 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20374407)
植木 重治 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60361234)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 真菌 / アレルギー / 鼻副鼻腔炎 / Galectin-10 / Asp f 1 |
研究実績の概要 |
本研究では、保存的治療抵抗性の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP) 患者から得られた鼻茸105例中、Grocott銀染色を使用して侵襲性真菌感染症のサンプルを2例を除外し103例を分析した。鼻茸組織をPBSで数回完全に洗浄し、重量を測定、液体窒素で急速凍結保存とした。 サンプルをホモジナイズし、13,000 rpm で 10 分間遠心分離、上清を収集し測定のために-80°Cで保存しサンプルとした。103例のサンプルをELISAで解析すると、患者18例 (17.5%) が Asp f 1 陽性で、陽性の患者は男性9例 (50.0%)、女性9例 (50.0%)であった。 病変側に関しては、18例の患者のう17例が両側性(94.4%)であり、13例(72.2%)は好酸球性鼻副鼻腔炎を合併しており、1 秒間の強制呼気量 (FEV1) は 7例が70 % 未満であった。Asp f 1陽性患者に関して組織中のAspergillus specific IgEを検討した結果、最も重要な抗原特異的IgEは鼻茸組織中Asp f 1 抗原レベルと (rs = 0.68, P < 0.01) 有意に相関した。自然2型リンパ球からはIL-4、IL-5、IL-13が産生されるが、IgE産生とクラススイッチに必須のIL-4 レベル (rs = 0.86、P < 0.0005) が Asp f 1 レベルと正の相関を認めた。抗原および抗原特異的IgE は、IgE 受容体を活性化し、肥満細胞または好塩基球によるIL-4産生を誘導し産生されたIL-4が更にIgEクラススイとIgE産生を促進すると考えられる。組織内Asp f 1 抗原レベルを5 ng/gで2群に分類すると、特異的 IgE (P < 0.05) および IL-4 (P < 0.0005) レベルは、低 Asp f 1 群よりも高 Asp f 1 群で有意に高いという結果であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の解析はほぼ終了している。
|
今後の研究の推進方策 |
網羅的解析、マウスモデルの実験も予定通り進行している。
|