研究課題
鼻茸を伴う鼻副鼻腔炎組織には自然リンパ球type 2 (ILC2s) が豊富に存在し、真菌アレルギーなどで遷延化する強い好酸球性アレルギー炎症が生じており、ILC2sの長期間の役割やサブタイプの存在や機能解明が重要である。重症アレルギーモデルマウスで高度に増殖する過剰活性化 ILC2s の長期的な役割を解明した。慢性気道アレルギーが、Ig および ITIM ドメイン (TIGIT) を持つ T 細胞免疫受容体を発現する制御性疲弊型 ILC2 を誘発することを示し、独自の細胞系譜解析により、過剰な活性化によりIg および ITIM ドメイン (TIGIT)を発現したILC2はIL-10を産生する制御性ILC2に分化し、更に疲弊型ILC2となり細胞死へと向かう現象証明した。通年性アレルギー性鼻炎患者の組織中のTIGITの発現を検討すると、TIGIT分子発現レベルはIL-10と相関していることが判明した。TIGITを制御するとILC2の細胞死やアレルギー炎症に強く影響を与えるかどうか遺伝子改変モデルマウスを用いて解析すると、気道組織のTIGIT陽性ILC2は増殖できずに細胞が死を選択していた。TGITノックアウトまたは抗TIGIT拮抗抗体による遮断ではILC2の生存を促進、慢性アレルギー性炎症を悪化したが、マクロファージに発現するCD155との相互作用によってTIGIT + ILC2の細胞死は増強した。TIGIT が ILC2 の運命を活性化誘導性細胞死にシフトすることを示しており、慢性アレルギーの新しい治療標的となる可能性が示唆された。局所組織に存在する真菌Asp f 1 抗原の研究では、新しいアプローチの可能性を示唆するデータを示し、アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎の診断基準を筆者が提案した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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