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2020 年度 実績報告書

コモンマーモセットを用いた内耳研究プラットフォームの創生

研究課題

研究課題/領域番号 20H03836
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

細谷 誠  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30645445)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードコモンマーモセット
研究実績の概要

内耳研究には一般に齧歯類や鳥類・ゼブラフィッシュなどの非ヒト非霊長類モデル動物が用いられるが、これらを駆使しても解決できない科学的課題がときに存在し、その原因の一つにモデル動物とヒトの間の種差の存在が指摘されている。とくに内耳研究では、内耳の生検の機会がないためヒト組織および細胞を用いた研究が困難であり、種差の問題の克服のための新しい研究ツールの確立が求められていた。コモンマーモセットは、近年モデル動物として注目されている南米原産の小型霊長類である。申請者らは、本動物を用いた遺伝性難聴研究により、ヒトとモデル動物との間のギャップを少なからず埋められることを明らかにしてきた(Hosoya et al. 2016 Sci Rep. 他) 。本計画ではコモンマーモセット内耳研究を、胎生期から高齢個体に到るまでの全ライフスパンに拡張する。内耳発生学的研究および加齢性難聴研究プラットフォームとして確立すると同時に、遺伝性難聴モデル動物としての拡充を図るべく、分子生物学的手法を用いて組織解剖学的な詳細な検討を行い、霊長類内耳細胞の網羅的な解析を行う。
2020年度は胎生期コモンマーモセット内耳におけるステージングを行うとともに、内耳における神経発生の詳細な検討をおこなった。これらのデータをもとに網羅的な解析として胎生期コモンマーモセットを用いた蝸牛細胞のシングルセルRNAseqを施行した。本データの解析を2021年度に行う予定である。なお、発生過程でのステージングの結果は、"The common marmoset as suitable nonhuman alternative for the analysis of primate cochlear development" のタイトルで、FEBS Journal誌に2020年度に掲載され、本動物が内耳発生学的モデルとして評価された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

コモンマーモセット内耳発生の検討が予定より順調に進んだため、予定より早く網羅的解析に進むことができた。

今後の研究の推進方策

今後は、今回施行した網羅的解析のデータをもとにこれまでげっ歯類モデル動物で知られていなかった内耳遺伝子発現パターンの知見が得られる可能性が高いと考えている。2021年度以降は本データを用いてさらなる解析を進め、特定された遺伝子の発現パターンの詳細な検討を免疫組織学的検討を用いて行う予定である。また、今回の網羅的検討で得られた遺伝子発現パターンを難聴遺伝子の点からも再検討し、今後のプラットフォーム化をさらに進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The common marmoset as suitable nonhuman alternative for the analysis of primate cochlear development2020

    • 著者名/発表者名
      Hosoya Makoto、Fujioka Masato、Murayama Ayako Y.、Okano Hideyuki、Ogawa Kaoru
    • 雑誌名

      The FEBS Journal

      巻: 288 ページ: 325~353

    • DOI

      10.1111/febs.15341

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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