研究課題/領域番号 |
20H03840
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
稲谷 大 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40335245)
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研究分担者 |
高村 佳弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00283193)
有村 尚悟 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (20835029)
辻 隆宏 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40787389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 緑内障 |
研究実績の概要 |
我々が保有する12週齢のYFPで標識したThy1-ミトコンドリアトランスジェニックマウス(YFP-Thy1-mitoマウス)における網膜神経節細胞の軸索を蛍光顕微鏡で観察した。標識されたミトコンドリアには、静止したミトコンドリア(stationaryミトコンドリア)と移動するミトコンドリア(motileミトコンドリア)に分類された。生理的条件下においても、細胞培養の条件下においても、神経細胞の軸索におけるstationaryミトコンドリアの分布は、均一に分布していた。細胞培養実験において、mitoTrackerで軸索内のミトコンドリアを標識し、KillerRedを用いたchromophore-assisted光不活化法で局所的にミトコンドリアを不活化させると、ミトコンドリアの分布の均一性が乱れた。フォスフォクレアチニン処理を行い、軸索内にATPを供給すると、motileミトコンドリアが活性化され、他のミトコンドリアの移動を促進した。軸索内のATP:ADP比が高いことと、軸索内のミトコンドリアの分布の不均一とには、負の相関が示された。Motileミトコンドリアが軸索内で活発に移動し、ATPを供給することで、軸索内におけるstationaryミトコンドリアの分布の均一化に関与することが示された。これらの研究結果は、緑内障視神経症において、視神経軸索が局所的に軸索絞扼された場合、絞扼された局所でミトコンドリアの輸送が停止するだけではなく、停止したミトコンドリアによって、ATPの供給が低下し、他のミトコンドリアの移動も停止し、軸索全体のミトコンドリア輸送の停止が引き起こされる我々のこれまでの観察データを反映しているものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経軸索におけるミトコンドリアの分布と軸索輸送とATPとの関連が明らかにされたため。
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今後の研究の推進方策 |
生理的条件下において、緑内障モデルと正常眼とのミトコンドリア分布と軸索輸送とATPとの関連を明らかにするため、動物モデルでの研究をさらに推進する。
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