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2020 年度 実績報告書

細胞骨格を制御することで瘢痕ゼロを実現する

研究課題

研究課題/領域番号 20H03848
研究機関大阪大学

研究代表者

久保 盾貴  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00362707)

研究分担者 松崎 伸介  森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (60403193)
河合 建一郎  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80423177)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード細胞骨格 / Rhoファミリー低分子量Gタンパク質
研究実績の概要

6人より採取したケロイドから、ケロイド由来ヒト皮膚線維芽細胞の培養を行った。そして、購入した正常ヒト皮膚線維芽細胞および6検体より採取したケロイド由来ヒト皮膚線維芽細胞に対して、アポトーシスを誘導する実験を行った。アポトーシスの誘導は、まず、ツニカマイシンおよびサプシガルジンを0.1μMから3μMまでの濃度で培地に添加することで行った。そして、LDH Assayにより細胞障害度を測定した。試薬添加後、1、8、24、48時間にそれぞれ測定を行ったが、正常線維芽細胞とケロイド由来線維芽細胞で細胞障害に差異は認めなかった。次に、ウエスタンブロットで、Caspase3、Bax、Bcl-2について発現量を確認したところ、全ての群で発現量に差異は見られず、Caspase3についてはバンドの確認ができなかった。そのため、上記の2薬剤ではアポトーシスの誘導ができていないと判断したため、次に薬剤を過酸化水素に変更して同様の実験を行った。濃度と時間の条件設定のため、過酸化水素を以下の濃度で培地に添加し(0、100、250、500、1000、2000、10000μM)、1、8、24時間後にLDH assayを行ったところ500μM、8時間以上で細胞死が誘導されることが確認された。正常線維芽細胞とケロイド由来線維芽細胞で比較を行ったが、細胞障害度に差異を認めなかった。ウエスタンブロットでCaspase3、Bax、Bcl-2の発現量を確認したところ、Bax/GAPDH比は過酸化水素の濃度依存的に上昇していることは確認できたが、その他の発現量は変化がなかった。そのため、過酸化水素水ではアポトーシスの誘導よりもネクローシスが強く誘導されてしまい、正常線維芽細胞とケロイド由来線維芽細胞で差異が見られないのではないかと考え、あらたな薬剤(シクロヘキシミド)での実験を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症により、実験をできなかった期間があったのと、皮膚線維芽細胞のアポトーシスの至適条件を設定するのに時間を要している。

今後の研究の推進方策

新たな薬剤・投与時間を試し、皮膚線維芽細胞を効率よくアポトーシスさせる条件を見つけていく。また、薬剤でのアポトーシス実験が困難な場合に備えて、当教室で実験系が確立されているメカノセンシングの系においてアポトーシスの観察なども行っていく予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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