研究課題/領域番号 |
20H03848
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久保 盾貴 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00362707)
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研究分担者 |
松崎 伸介 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (60403193)
河合 建一郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80423177)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アポトーシス / 伸展刺激 / 線維芽細胞 / LIMK2 |
研究成果の概要 |
ヒト皮膚線維芽細胞は、伸展刺激を受けることでRhoA/ROCK/LIMK2/cofilin pathwayを介して筋線維芽細胞への分化が促進する。またBcl2の発現が増加し、Baxが低下することでアポトーシスに耐性を持つことが示された。しかし、LIMK2の活性化あるいは不活性化により筋線維芽細胞への分化促進は抑制されることが分かった。さらにLIMK2を不活性化した場合では、線維芽細胞の増殖能が低下し、Bcl2の発現が減少することが明らかになった。RhoA/ROCK/LIMK2/cofilin pathwayをターゲットとすることでケロイド・肥厚性瘢痕の新治療法の開発へ繋がる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
形成外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト皮膚線維芽細胞が伸展刺激によりアポトーシスがどのような動態を示すかを報告した研究は少ない。今回、線維芽細胞は伸展刺激によりアポトーシスに耐性を獲得することが示され、ケロイド・肥厚性瘢痕形成の一因が明らかとなった。また、LIMK2に注目することで皮膚線維芽細胞の分化およびアポトーシスの両方の側面からケロイド・肥厚性瘢痕の病態を制御できる可能性が示唆された。ケロイド・肥厚性瘢痕の薬物治療は未だ確立されたものがなく難治性の病態であるが、LIMK2をターゲットにした治療法の開発は今後「傷跡を残さない治療」を実現する可能性があり、異常瘢痕に悩む数多くの患者たちのQOLを改善できうると考える。
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