研究課題/領域番号 |
20H03849
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
橋川 和信 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90403237)
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研究分担者 |
榊原 晶子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00569866)
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (30529566)
高須 啓之 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (40566022)
榊原 俊介 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50444592)
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メラノーマ / Gq |
研究実績の概要 |
虹彩に発生する悪性黒色腫(以下Melanoma)のうち、遠隔転移を起こした群ではGタンパク質ファミリーのうちGqαサブユニット群(以下Gq)の遺伝子変異が高率に認められること、また動物実験により、Gq遺伝子変異株ではMAPキナーゼ系の活性化(細胞増殖の活性化)および有意に転移をきたしたことが報告された。その後、Melanomaのみならず消化器系や呼吸器系に発生した悪性腫瘍においても同様の知見が報告されつつある。本研究の目的は、光とMelanomaの関連においてこれまで示されてきた「光線暴露が発生の危険因子である」ことに加え、「光線暴露は増殖・転移の危険因子でもある」ことを細胞生物学的に示すことにある。われわれは2つのMelanoma細胞株(MEWO株およびG361株)を研究対象として選んだ。これらの細胞株をモデルとし、Gq変異を加えることで、Melanomaの転移活性への影響を検討するため、まず、それぞれの細胞株におけるGq(GnaqおよびGq11)の遺伝子変異について探索を行なった。それぞれの細胞株から抽出したmRNAを元に、cDNAライブラリーを作成し、これに対して全長のGqに対するPCRを行なった。これをクローニングすることで、これらの遺伝子配列を解析した。その結果、いずれの細胞株においてもDNAレベルでは変異が認められるもののアミノ酸配列には影響を持たなかった。次に、変異を導入するためにゲノム編集を行うこととした。まずはGnaqをターゲットに、R183Q変異の導入を計画した。これに沿って、CRISPR/CAS9を用いたベクターの配列を設計した。同時にssODNの配列(1塩基置換)を設計した。これに沿って、Cas9と同時発現ベクターを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにゲノム編集によるGqへの変異導入を計画しており、概ね予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
上記の述べた通り、現在までにゲノム編集用のCas9/CRISPRベクターの構築を行なった。これをクローニングにより増幅する。さらにssODNを合成(外注)し、これらをMEWO株およびG361株にco-transfectionする。ピューロマイシンによりスクリーニングを行なったのち、限界希釈法により培養を行い、細胞株を得る。その後、ゲノムを抽出し、PCRを行なったのち、制限酵素切断の有無によりスクリーニングを行う。
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