研究課題
新型コロナウイルスの流行で,数多くの感染者,重症肺炎患者および死者が発生し,患者個々の健康問題だけでなく,社会・経済・医療システム全般に大きな負の影響が生じている.また,新型コロナウイルス性肺炎を除いても,国内では年間に約13万人もの肺炎死者(誤嚥性肺炎を含む)が報告され,かつ増加し続けている.本課題の基盤B研究では,耐性肺炎球菌による肺炎の重症化機構をin vivo解析し,耐性菌による肺炎の治療基盤を構築することを目的に掲げた.具体的には,耐性肺炎球菌の肺感染マウス系を確立後,肺胞中の耐性菌とマウスの両分子群をiTRAQ-MS/MS法で網羅同定した後,耐性菌とマウスの両分子群の動態を多分子同時解析装置で詳細分析した.そして,肺炎の重症化に関与する分子を治療標的として選出し,当時採択さてれていた萌芽研究のin vitro系で確立し 特許出願したDNAの立体化技術を用い,in vivo系において耐性肺炎球菌の病原因子のみを特異的に制御する抗菌薬の開発を期した.その結果,当初4ヵ年計画の3年目の現在までに,研究成果の英語学術論文19篇(そのうち責任著者が10篇)の発表および成果特許1件を出願し,当初計画以上の科研費研究の遂行実績を挙げることができている(詳細はJSTの“researchmap”に記載済み).2019年12月末に発生した新型コロナウイルスの影響により,研究組織全員のモチベーションと責任感が高まったことに加え,感染症研究の各種試薬や実験機器が世界的に充実した点も大きいと考察している.さらに,本研究では代表者と全ての分担者が,それぞれ大学院生を育成しながら計画を推進した.耐性菌に関する基礎研究もその専門人材養成も,「薬剤耐性AMRアクションプラン」において日本政府が決定した政策であり,教育貢献かつ社会貢献の意義も高いと考えられた.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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