研究課題/領域番号 |
20H03870
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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研究分担者 |
芳賀 永 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (00292045)
石原 誠一郎 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (10719933)
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
鈴木 絢子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70869916)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 硬さ / 口腔ケラチノサイト / 遺伝子発現 / 運動能 |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナの影響で魚うろこコラーゲンの入手がままならず、既製品の魚うろこコラーゲンであるセルキャンパスしか手に入らなかったため、コラーゲンゲルの足場材の硬さをランダムに変えての培養口腔粘膜作成はできなかった。その分、セルキャンパスを用いて、コントロールの硬い培養皿面、同表面でカルシウム濃度をあげた分化培地、および、いわゆるコラーゲンゲルの軟性面で培養したケラチノサイトに対し、運動能解析と外注によるマイクロアレイ解析による網羅的遺伝子発現分析(現在までに2サンプル解析終了し、現在もう2サンプル培養しており、外注予定)を実施し、結果がでたら新たに分担者に加わっていただいた凌先生にヒートマップとクラスター図を作成してもらい、ビッグデータ解析をお願いする。 細胞運動能解析では驚いたことに、コラーゲンゲル上の細胞運動能が、硬い培養皿面での細胞運動能より上回っていた。これは、いわゆる癌細胞のメカノバイオロジーと真逆の現象である。さらに、運動能が高いにも関わらず、ケラチノサイトの分化マーカー遺伝子発現が更新していることが示唆され、申請者の以前の基盤B研究で報告した結果とも相反するデータを得ており、今後考察を加え、メカニズム解明したい。また、コロナの影響で、研究分担者のいる北海道大学にAFMを用いた細胞の硬さ検索ができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コラーゲンゲルの硬さの違いによる培養口腔粘膜作成はできなかったが、コロナが落ち着けば材料が手に入り実施可能と思われる。また、硬さの異なる面で培養した口腔ケラチノサイトの網羅的遺伝子発現検討途中であるが、ほぼ一貫して、細胞分化マーカーや、メカノトランスダクションに関連する遺伝子の変動が観察され、足場材の硬さを変えての培養口腔粘膜作成後のタンパク発現にむすびつけられるデータが出そろいそうである。
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今後の研究の推進方策 |
現在実施中のマイクロアレイデータのヒートマップとクラスター図を作成する。 昨年度予定していた、硬さの異なるコラーゲンゲルに細胞を播種して培養口腔粘膜を作成し、タンパク発現を確認する。コロナが落ち着いたところで、1度も訪問できていなかった北海道大学の芳賀先生、石原先生ラボにてAFMを用いて細胞の硬さを測定する。
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