研究課題/領域番号 |
20H03870
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
|
研究分担者 |
芳賀 永 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (00292045)
石原 誠一郎 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (10719933)
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
鈴木 絢子 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (70869916)
凌 一葦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70804540)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 口腔粘膜上皮 / 正角化 / 非角化 / メカノトランスダクション |
研究実績の概要 |
口腔粘膜欠損部の再建用に用いるための、移植用培養口腔粘膜作製にあたり口腔粘膜上皮の角化様式に、正角化と非角化の2パターン存在することからに、移植部の角化パターンに合わせた培養口腔粘膜作製には、細胞培養の基盤となる足場の硬さによって制御できるのではないかという仮説を立てた。つまり、口腔の解剖学的特徴である、骨と骨膜上に形成される口腔粘膜と、筋肉などの軟組織上に形成される口腔粘膜がその決定的な違いを生んでいると考えられるので、そのメカニズムを、分化度の異なる細胞の硬さの測定、マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析、ヤング率の異なるコラーゲン足場材に播種して作製した培養口腔粘膜の組織像から明らかにしていく。これを解決する問いとして、 (1)足場材の硬さを変え、2次元培養した口腔粘膜角化細胞の角化・分化/接着/増殖レベルの変動パターン解析から、細胞が角化・非角化にコミットする足場材硬さの同定 (2)コラーゲンゲルの硬さを(1)のデータを基盤として絞り込み、その足場材を用いて細胞を3次元培養で重層化させ、角化型、非角化型の培養口腔粘膜の作成 (3)培養口腔粘膜を角化型、非角化型にコミットさせるメカノトランスダクション機構解析を実施する。 さらに、硬い基盤と軟らかい基盤上で増殖を目的とした培地を用いて培養した口腔粘膜角化細胞について、運動能を合わせて計測して、細胞の増殖能についての検討を加え、生物学的意義を探る。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
細胞培養の足場として、通常のプラスチック培養皿(ヤング率2-3GPa)とI型コラーゲンハイドロゲル(ヤング率4-5kPa)上で培養した口腔粘膜角化細胞から抽出したmRNAから、網羅的遺伝子解析を行う予定であったが、コロナ禍によって業者の都合によって解析に不可欠な消耗品が3か月以上欠品状態であったために、解析が予定通り実施できず繰越申請を行い、解析のタイミングが遅延した。
|
今後の研究の推進方策 |
欠品状態が改善されたので、網羅的遺伝子解析が実施でき、硬い基盤と軟らかい基盤上で培養した口腔粘膜角化細胞の発現遺伝子で、有意に発現が異なる遺伝子がいくつか抽出することができた。このうち、上皮細胞にかかわりがあると推察されるタンパクについて、WBによって発現レベルを検討し、果たして機能している遺伝子かどうか確認する。
|