研究課題
口腔粘膜欠損部の再建用に用いるための、移植用培養口腔粘膜作製にあたり口腔粘膜上皮の角化様式に、正角化と非角化の2パターン存在することからに、移植部の角化パターンに合わせた培養口腔粘膜作製には、細胞培養の基盤となる足場の硬さによって制御できるのではないかという仮説を立てた。つまり、口腔の解剖学的特徴である、骨と骨膜上に形成される口腔粘膜と、筋肉などの軟組織上に形成される口腔粘膜がその決定的な違いを生んでいると考えられるので、そのメカニズムを、分化度の異なる細胞の硬さの測定、マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析、ヤング率の異なるコラーゲン足場材に播種して作製した培養口腔粘膜の組織像から明らかにしていく。これを解決する問いとして、(1)足場材の硬さを変え、2次元培養した口腔粘膜角化細胞の角化・分化/接着/増殖レベルの変動パターン解析から、細胞が角化・非角化にコミットする足場材硬さの同定(2)コラーゲンゲルの硬さを(1)のデータを基盤として絞り込み、その足場材を用いて細胞を3次元培養で重層化させ、角化型、非角化型の培養口腔粘膜の作成(3)培養口腔粘膜を角化型、非角化型にコミットさせるメカノトランスダクション機構解析を実施する。さらに、硬い基盤と軟らかい基盤上で増殖を目的とした培地を用いて培養した口腔粘膜角化細胞について、運動能を合わせて計測して、細胞の増殖能についての検討を加え、生物学的意義を探る。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。