研究課題/領域番号 |
20H03872
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (20350829)
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研究分担者 |
岩本 莉奈 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20907216)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
堀部 寛治 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70733509)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Wnt / ビタミンD / 骨再生制御因子 / ゲノム編集スクリーニング |
研究成果の概要 |
Wntシグナル下流新規骨形成制御因子を見つけるため、Wnt活性の上昇と低下に応じて細胞死を誘導するシステムを確立し、TGFβファミリー分子がWntシグナル促進に関与することを見出した。WntレポーターAxin2-tomatoマウスを用いた骨折治癒モデルにおいて、Wnt応答性にTGFβファミリー分子が治癒促進に貢献することがわかった。さらに著しく骨形成が低下する病態モデルである高ビタミンD症と慢性腎臓病モデルマウスにおいて、TGFβファミリー分子の骨における発現低下および循環血におけるWnt阻害因子Sclerostinレベルの著しい上昇が、骨形成低下の原因であることを突き止めた。
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自由記述の分野 |
分子生物学、口腔生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本は、現在高齢化社会にあり、骨粗鬆症患者急増が社会問題となっている。骨吸収抑制薬が第一選択であるが、骨吸収抑制薬は骨形成も低下させ、骨質低下が生じる問題点がある。一方、骨形成促進薬は、副甲状腺ホルモン製剤と細胞外Wnt阻害タンパクであるスクレロスチンの中和抗体の2種類しかないが、安全性に懸念があり適応が限られている。骨粗鬆症治療は長期に渡るため、既存の治療薬とは異なる作用機構の骨形成促進薬の開発が喫緊の課題である。本研究の成果は、既存の骨形成促進薬と異なる分子ターゲットを提案し、治療が難しい慢性腎臓病やカルシウム代謝性疾患による続発性骨粗鬆症の治療法確立に寄与することが期待される。
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