研究課題
【方法】今年度は、65歳以上の高齢者を対象としたランダム化比較試験を行った。公募に応じた50名の高齢者を介入群と対照群にそれぞれ25名ずつ割り付けた。介入群は耳掛け式咀嚼回数計bitscan(SHARP Inc.)を30日間毎食使用し、咀嚼行動をよく噛むように促した。対照群は、平常通りに毎日の食生活を続けた。ベースラインおよび介入後において、すべての参加者の体組成、認知機能および咀嚼行動について評価した。認知機能は、CogEvo (Total Brain Care Inc.)を使用して、認知機能の 5 つの要素 (見当識障害、注意、記憶、計画、空間認識) のレベルとスコアを決定した。咀嚼行動は、おにぎり1個(100g)を食べた時の咀嚼回数と食事時間で評価した。【結果と考察】体組成については、いずれの群においてもベースラインと2 回目の評価との間で有意差は見られなかったが、咀嚼回数と咀嚼時間については、介入群においてのみ有意な増加が見られた。認知機能評価項目のうち「記憶」については、介入群の方が対照群よりも高いスコアを得た。この結果は、前年度行われた若年者を対象とした実験では認められなかったもので、「よく噛む」と言う咀嚼行動変容が高齢者の記憶に影響を与える可能性があることを示唆している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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