研究課題
超超高齢社会を迎え、以前よりも義歯補綴に不利な顎堤や菲薄な粘膜を有する患者が増え、義歯による疼痛を訴える患者が増えており、その有効な治療法として 軟質リライン材が広く応用され、さらに近年、軟質リラインが保険収載された。しかしながら、耐久性や汚れの観点より、いまだ理想的な軟質リライン材は開発されていない。そこで本研究では、粘膜創傷治癒促進機能、セルフクリーニング機能、および高い緩圧効果と耐久性を有する軟質リライン材を開発することを目指す。令和2年度は主として光重合型アクリル系軟質リライン材のモノマーの種類と可塑剤(アセチルクエン酸トリブチル)の含有量、および粉液比(P/L = 1.0、1.2)と、硬化進行中の動的粘弾性と硬化時間について検討した。測定機器はストレス制御式レオメーターである(直径2㎝のパラレルプレート、ギャップ間距離1mm、1Hz)。粉末はpoly(ethyl methacrylate/butyl methacrylate)である。可塑剤の含有量が増加するほど、硬化時間は指数関数的に増加する傾向であった。また粉液比1.2の方が1.0よりも硬化時間は短くなる傾向であった。令和3年度は光重合(硬化)後の動的粘弾性及び耐久性(サーマルサイクル付加)に関する測定、ならびに吸水、溶解に関する測定を実施し、令和4年度も上記の評価を継続した。測定機器は非共振強制振動法による動的粘弾性測定器であり、0.01~100Hzにおける各材料の粘弾性特性を評価した。使用材料は硬化挙動を評価した材料で、耐久性に関してはサーマルサイクル試験を実施した。理想的な硬化挙動および粘弾性的性質を有する光重合型軟質リライン材の組成を決定するための知見を得た。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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