研究課題/領域番号 |
20H03881
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
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研究分担者 |
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90258418)
佐原 寿史 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 准教授 (90452333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 再生医療 / 骨再生 / 分子マーカー |
研究実績の概要 |
顎骨骨髄中に存在する間葉系幹細胞(MBMSC)は高い骨分化能を有し、顎骨の再生治療に有望なセルソースであると考えられる。しかし、MBMSCの機能や性質については依然として不明な点が多い。昨年度までの研究によって、MBMSCは脂肪への分化能が著しく低く、そのメカニズムとして、脂肪分化を制御する様々な転写因子発現が抑制されていることを明らかにした。しかし、どのような分子メカニズムにより脂肪分化転写因子発現が抑制されているかは不明であった。近年、MSCの脂肪分化制御機構においてミトコンドリア機能の活性化と活性酸素種(ROS)の重要性が報告されている。そこで本年度は、MBMSCの脂肪分化制御におけるミトコンドリア機能活性化とROSの役割を探索した。 MBMSCおよび腸骨骨髄由来MSC(IBMSC)の両細胞は脂肪分化誘導によってミトコンドリア膜電位の上昇とミトコンドリア生合成の増加が誘導され、両細胞間で有意な差はなかった。一方で、MBMSCはIBMSCに比べてNOX4発現が有意に低く、細胞内ROS濃度も有意に低いことが明らかとなった。次に、メナジオン処理およびNOX4遺伝子過剰発現によってROS産生を誘導することによるMBMSCの脂肪分化に与える影響を評価した。メナジオン処理およびNOX4過剰発現によって脂肪分化早期転写因子の発現が増加したが、後期脂肪分化転写因子発現および脂肪滴の蓄積を増加させることはできなかった。以上の結果から、MBMSCの脂肪分化制御機構において、ミトコンドリア機能の活性化は直接的な関与はなく、ROSがMBMSCの脂肪分化過程の初期段階において部分的に関与している可能性が見出された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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