研究課題/領域番号 |
20H03883
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30302558)
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研究分担者 |
伊豫田 学 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40431746)
中嶋 大 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50431747)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 薬剤耐性 / セツキシマブ / PRAUR / スーパーエンハンサー / ChiPseq法 / H3K27ac / BRD4 |
研究実績の概要 |
全ゲノムワイドな解析により抗癌剤耐性に特異的なSEと、標的となる関連因子を検索・同定し,、未だ明らかとなっていない口腔癌の新たな抗癌剤耐性の発生メカニズムを系統的検討するため、本年度は以下に示す研究を行い、成果を得た。 1.セツキシマブ耐性株の樹立:口腔扁平上皮癌(OSCC)細胞株3種(HSC-3、SAS、Sa3)を7日おきに倍量のセツキシマブに24時間暴露し1800ug/mlの濃度まで生存した細胞株を得た。 2. 耐性株でのPLAUR発現量の確認:先行研究にて同定したセツキシマブ耐性に影響する遺伝子、PLAURの発現量は新たに樹立した耐性株において感受性株と比較して有意に増強していた。樹立した耐性株と感受性株(親株)でMTSアッセイを行い、セツキシマブ感受性を比較したところ、耐性株でIC50の上昇を認めた。 3. ChIP-sequence (ChiPseq) 法での全ゲノムワイド解析 特異的SEの構造的検索を行うため、クロマチン免疫沈降法(chromatin immunoprecipitation: ChIP) と次世代シークエンサーを組み合わせたChIP-seq 法を行った。解析には3細胞株のうち、HSC-3とSASを使用した。抗体はH3K27acとBRD4を使用した。現在行っているデータの解析は次年度も継続して行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回新たに樹立したセツキシマブ耐性株において、先行研究と同様、IC50の上昇や、耐性に関与する遺伝子、PLAURの発現増加を確認し研究の再現性を確認した。さらにChIP-sequence (ChiPseq) 法を予定通りに提出し、詳細な解析結果を得られたため、研究はおおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ChIP-seq 法で得た解析結果よりセツキシマブ耐性に共通するSEを同定し各SEに含まれる遺伝子群の特徴(転写因子との関係経路の有無等)を検討する。さらに、 DNA microarray、RNA-seqを併用して, 標的 SE 候補, 転写因子, 下流に位置する標 的遺伝子, miRNA, lncRNA を同定することを検討している。
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