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2021 年度 実績報告書

スーパーエンハンサーを標的とした口腔癌薬剤耐性機構の解明による治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H03883
研究機関千葉大学

研究代表者

鵜澤 一弘  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30302558)

研究分担者 中嶋 大  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50431747)
伊豫田 学  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (40431746)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードスーパーエンハンサー / セツキシマブ / 薬剤耐性 / 口腔癌
研究実績の概要

スーパーエンハンサー (SE) は近接したゲノム上でクラスターを形成している転写因子群であり、格段に強力な転写効力を持つ、さらに、幹細胞や各組織の細胞系統を特徴付けるような遺伝子発現を強力に制御しており、細胞のアイデンティティの決定 (発生・分化制御)や疾患関連 遺伝子の発現制御に働く。最近の研究では癌特異的 SE の存在が明らかとなり。癌は SE を媒介とした疾患と捉えられつつある。しかし、口腔癌治療において極めて重要な抗癌剤耐性に関する特異的 SE はその存在の有無さえ報告されていない。本研究は全ゲノムワイドな解析により抗癌剤耐性に特異的な SE とその標的となる関連因子を検索・同定することで、未だ明らかとなっていない口腔癌の新たな抗癌剤耐性の発生メカニズムを系統的に検討し各S Eを効果的に制御する薬剤の同定と、それを応用した治療法の開発を目指すものである。昨年度まではセツキシマブ耐性の口腔癌細胞株株を作成し、クロマチン免疫沈降法と次世代シークエンサーを組み合わせた新技術であるChiP-Seqを行い、セツキシマブ耐性口腔癌細胞株に特有な SE とされる領域を導き出した。そこから SE 領域に関与する遺伝子をピックアップし、The Cancer Genome Atlas(TCGA)を用いて5年生存率や臨床検体における、癌組織と非癌部組織での遺伝子の発現量を調べた。その中からCENPAとCARD19という遺伝子は癌組織において非癌組織よりも有意に発現が上昇しており、5年生存率の低下にも有意に関与していた。さらに、RT-PCRにおいてセツキシマブ耐性口腔癌細胞株における二つの遺伝子の発現量は通常の口腔癌細胞株と比較し有意に上昇していた。現在は二つの遺伝子について機能解析を行なっている段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定していた研究計画には十分到達することができた。また、これまでの研究成果は、次年度以降の研究計画に大きく寄与できる内容であり、順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

現在セツキシマブ耐性の口腔癌耐性株において特有のSE領域に関連する遺伝子を導き出した。その遺伝子の発現を抑制することでセツキシマブ耐性の口腔癌細胞の耐性能が解除されることを確認する。さらに、対象となるSE領域の機能を低下させることで同じような結果が得られるか確認する。

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公開日: 2022-12-28  

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