研究課題
これまでに得られた骨修復おけるデータセットと、骨発生におけるマウスデータセットの比較解析を行った。骨発生データセットとして、マウス骨発生に関する公共データベースを利用した。バイオインフォマティクスの手法を用いて、バッチエフェクトを解消した後、骨修復データと骨発生データを統合した。得られたデータは、遺伝子発現プロファイルに基づきクラスタリング解析を行い、UMAP上に描写した。さらに、マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づき、細胞のアノテーションを行った。以上の結果、骨発生と骨修復において、同一の骨格系細胞集団が多数認められることが明らかになった。一方、血球系細胞については、発生と修復で異なっている可能性が示唆された。骨格系細胞について、さらに偽時系列解析により、連続的な遺伝子発現プロファイルを比較検討し、骨修復と骨発生の間で特異的なシグナチャーと共通シグナチャーを抽出した。さらに、骨修復データセットに対して、リガンド―受容体解析を行った。scTensorを用いて Cell-cell interaction(CCI)と Ligand-Receptor(L-R)ペア の抽出を行った。様々な細胞集団でシグナル相互作用の候補が多数得られた。この中で、骨格系細胞集団と血球系細胞集団間の相互作用に注目した。統計学的な基準と文献検索により、骨修復シグナル候補を絞り込んだ。以上の解析により、骨発生と骨修復において、遺伝子発現に関する相違性の理解が進み、骨修復に必要なシグナル因子群の候補を取得した。
2: おおむね順調に進展している
計画通り研究が進み、骨再生候補シグナルを取得した。
これまでの予定通り、得られた候補シグナル活性化剤を用いて骨再生効果を検証する。
すべて 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
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