研究課題/領域番号 |
20H03887
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古郷 幹彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 名誉教授 (20205371)
|
研究分担者 |
田中 晋 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00367541)
山西 整 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (20397780)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 咀嚼 / 嚥下 / 口腔 |
研究実績の概要 |
CuZn superoxide dismutase(SOD1)遺伝子変異が家族性 ALS で発見され.このSOD1の変異を全身に過剰発現するマウスが遅発性の選択的 運動ニューロン変性を示す。このモデルでは変異 SOD1 蛋白の新規獲得毒 性が病因であるとわかり、神経炎症や病的グリア細胞の積極 的な神経変性への関与といった ALS 病態の重要な知見が明らかになりつつある。 ALSマウスは小さく研究に難があるとされているが本研究は培養条件下in vitro実験系でありごく微細な実験でもできる優位性が本研究系にはあることが分かった。 薬剤の脳幹脊髄への効率的な選択的投与を実現する髄腔内外投与、細胞処置といった実験的治療アプローチが容易である。 そこで当初予定した嗅覚異常あるいは味覚異常といった現象をマウスでは症状を選別あるいは程度を同定することが難しく、咀嚼系嚥下系に与える影響を定量的に計測することが難しいためワンステップ上位の求心性感覚からではなく中脳路核への直接電気的刺激が感覚からの伝導が入った場合の異常を運動系への伝達に変わる様相をALS状態で分析することが可能か検討した。その結果中脳路核においての膜電位変換の異常などALSでは様々な異常が起こっている可能性があることが確認できた。破損したスライス標本作成機の代替え機を購入することができた。200ミクロン程度のスライスをALSマウスで作成できるかを繰り返しトライした。時間日数を要したが安定したスライス標本が神経回路を破壊することなく作れるようになり、チャンバー内で安定したデータをとれるようになった。このことは今後の研究に飛躍鄭影響を与えると考えている。継続課題として2022年度の研究を同時並行して行ったが本成果を2023年度にまとめ上げる予定である。ALSマウスを用いた神経回路の研究が今後の主体になると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍と機械故障により研究は相当遅れていたが機械新規購入が完了し、さらにALSマウスの使用で急速に追いつけると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究目的は情報統合による咀嚼・嚥下のコントロールの神経活動を明らかにすることにある。そこに異常を起こすALSマウスの登場により今後研究は一層進められると考えている。 今後の中心はALSマウスによる口腔運動コントロールの異常の原因と様相の分析となる。
|