研究課題/領域番号 |
20H03890
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中城 公一 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (90314880)
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研究分担者 |
合田 啓之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00464371)
徳善 紀彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10723843)
内田 大亮 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (20335798)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / ゲノム異常 / リキッドバイオプシー / 再発監視 |
研究実績の概要 |
本研究では、頸部リンパ節転移予測、再発監視、再発・転移難治性腫瘍に対する新規治療法に遺伝子異常所見を活用することにより、口腔扁平上皮癌の完全制御を目指す。まず、口腔扁平上皮癌生検あるいは手術標本の一部より genomic DNA (gDNA) を抽出し、カスタム遺伝子パネル(TP53、BRAF、HRAS、PIK3CA、NOTCH1、CDKN2A、FBXW7)を用いた次世代シーケンシング (NGS) によりゲノム異常の有無を評価した。口腔扁平上皮癌 47 症例における各遺伝子の変異検出率は、TP53 87.3%、NOTCH1 34.0%、CDKN2A 21.2%、PIK3CA 10.6%、HRAS 6.3%、FBXW7 6.3%、BRAF 0% であった。次に、多発遠隔転移を有する口腔癌患者から腫瘍組織と血漿を採取し、それぞれから gDNA と circulating cell-free DNA (ccfDNA) を抽出した。腫瘍由来 gDNA を用いて上記カスタムパネルによる変異解析を行ったところ TP53 に frameshift insertion 変異を認めた。同時に、同患者の血液をリキッドバイオプシーである Guardant360 検査に供したところ、CCND1 と EGFR 遺伝子の増幅が認められたものの TP53 変異は検出されなかった。つづいて、この TP53 変異を検出できる TaqMan プローブ、プライマーを合成し、血漿由来 ccfDNA をテンプレートとしてリアルタイム定量化 PCR を行ったところ 40 サイクルまでに TP53 変異の検出が可能であった。以上の結果より、現時点では再発監視のためのリキッドバイオプシーとしては Guardant360 検査よりカスタムパネルによるゲノム解析と TaqMan PCR 法の方が有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため実験室の使用制限が行われたため
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今後の研究の推進方策 |
現在も新型コロナウィルス感染症拡大防止のため実験室の使用制限が行われているが、解除後直ちに当初の計画どおりに研究を開始する予定である。それまでに、今後の研究に必要な物品の準備を万全にする。また、一部の実験を外部委託することにより少しでも研究を推進する。
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