研究課題/領域番号 |
20H03892
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
來生 知 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (30545059)
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研究分担者 |
谷口 英樹 横浜市立大学, 医学研究科, 特別契約教授 (70292555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔がん / オルガノイド |
研究実績の概要 |
進行口腔がんでは術後の機能・審美障害の観点から、放射線や化学療法との集学的治療が望まれているが、有効な治療法が少なく克服すべき課題である。その原因の一つとして希少がん故に大規模な臨床試験が行われにくく、また標準治療が手術であることも有効な薬剤の開発が進んでいない要因と思われる。近年、がんの不均一性やゲノム変化により治療抵抗性が生じ克服困難な大きな要因となっていることがわかりつつある。そこで本研究では、口腔がんの治療抵抗性を克服する多剤併用の新規治療戦略を開発するため、癌細胞の不均一性や微小環境などの臨床的有用性を有する患者由来口腔がんオルガノイドの確立とドラッグスクリーニングへの応用を行うこととした。これからのがん治療においては、いかにがんの不均一性を標的にした治療方法を確立できるか、またそれを実現させるために有効なハイスループットなアッセイ系の確立が重要と思われる。そのため本研究の目的は、個々のがんのheterogeneity “不均一性” を忠実にトレースさせる in vitroの培養系を確立させ口腔がんに有効な治療薬をスクリーニングし治療法を探索することである。これまで固形癌において様々な3次元培養法の作製が試みられてきたが、がん細胞のみを用いたスフェロイドや癌シストでは細胞極性や不均一性などはある程度再現できるものの、微小環境因子を再現することはできない。本研究では口腔がんオルガノイドは間質細胞と血管内皮細胞と共培養することで微小環境を再現させ、腫瘍組織の性質を維持したモデルの作製を行った。本年度は最初に口腔癌細胞株オルガノイドの作製として、口腔がん細胞株を用いて二次元培養や、3次元培養とオルガノイドの薬剤感受性、増殖能などを解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生検から得られた臨床検体を用いたオルガノイドの作製において生着率が安定せず、様々な方法を試行したため解析が予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
より良い樹立方法を確立しつつあるため、次年度は微小環境の条件を変化させてアッセイを行い、研究を推進させる。
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