研究課題/領域番号 |
20H03893
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
藤内 祝 明海大学, 保健医療学部, 教授 (50172127)
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研究分担者 |
杉田 義昭 城西大学, 薬学部, 教授 (20255029)
友村 美根子 明海大学, 保健医療学部, 教授 (30217559)
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
坂東 健二郎 明海大学, 歯学部, 講師 (50347093)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70303641)
高尾 浩一 城西大学, 薬学部, 准教授 (70337484)
小泉 敏之 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80323575)
中鍛治 里奈 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80845511)
天野 滋 明海大学, 歯学部, 准教授 (90167958)
植沢 芳広 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (90322528)
山本 信治 明海大学, 歯学部, 教授 (60385185)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイルドハイパーサーミア / 低侵襲性治療 / 腫瘍選択性磁性体 / 口腔癌 / 併用療法 |
研究実績の概要 |
HTによりG2/M期の細胞が先ず集積し、次にG1期細胞の減少とsubG1集団が出現した。過酸化水素の細胞毒性もmild HTにより増強された。しかし、カタラーゼは、DOCの細胞毒性と、mild HTによる増強効果を抑制しなかったので、過酸化水素の関与は低いと思われた。 ICG-ADIBO-Azido-Ahx-細胞透過性ペプチド-Au/resovistナノ粒子が、ハイパーサーミアによるがん細胞死誘導効果を高めるか否か検討した。ヒト線維肉腫HT1080細胞をBALB/cSLc-nu/nuの背部に移植、定着後、ICG-ADIBO-Azido-Ahx-細胞透過性ペプチド-Au/resovist粒子(200 μg/200 μl)腹腔内投与し、800nm近赤外線発生装置(Super Lizer PX type 1)による近赤外線線照射(100%、20分)と磁気発生誘導加熱装置(Ambrell社、EASYHEAT0224)による磁場印加(450A、2186W、283kHz、10分)し、がん組織を消滅させることができるか検討した。In vivoマウス実験は、7群(①:コントロール群(溶媒処理)6匹、②:ナノ粒子群6匹、③:磁場単独群6匹、④:近赤外線単独群6匹、⑤:ナノ粒子+磁場群(磁場によるハイパーサーミア群)6匹、⑥:ナノ粒子+近赤外線群(近赤外線によるハイパーサーミア群)6匹、⑦:ナノ粒子+磁場+近赤外線群(磁場と近赤外線によるハイパーサーミア群)6匹)で検討した。腫瘍の大きさが500立方mm前後になった時点から、3日ごとに近赤外線照射と磁場印加を行い、約3週間腫瘍の大きさを測定した。ハイパーサーミアによる腫瘍局所での温度は約41℃前後であった。腫瘍の増殖が最も抑制されたのは、ナノ粒子+磁場+近赤外線群であった。しかし、腫瘍を縮小させることはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞死のメカニズムの解析が遅れている。 ICG-ADIBO-Azido-Ahx-細胞透過性ペプチド-Au/resovistナノ粒子を用い、ヒト線維肉腫HT1080細胞に対する800nm近赤外線線照射と交流磁場印加によるハイパーサーミアによるがん細胞死誘導効果を検討できたが、腫瘍を縮小させることはできなかった。今後は、ハイパーサミア実験開始時期の腫瘍の大きさ、腫瘍の大きさを縮小させるためのナノ粒子の投与量と交流磁場印加条件設定をさらに検討する予定である。口腔癌に対する効果と抗がん剤併用療法による効果が検討できていない。
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今後の研究の推進方策 |
口腔扁平上皮癌細胞が感受性が高い原因、そして、subG1集団が壊死、アポトーシス、いずれが誘導された検討する予定である。 ICG-ADIBO-Azido-Ahx-細胞透過性ペプチド-Au/resovistナノ粒子を用い、口腔癌対する800nm近赤外線線照射と磁場印加によるハイパーサーミアによるがん細胞死誘導効果と抗がん剤併用療法による効果を検討する予定である。
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