研究課題/領域番号 |
20H03894
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
山口 朗 東京歯科大学, 歯学部, 客員教授 (00142430)
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研究分担者 |
東 俊文 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00222612)
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00302886)
片倉 朗 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10233743)
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30243249)
小高 研人 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30801469)
玉村 禎宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70431963)
中村 貴 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80431948)
高野 正行 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (50197117)
森田 圭一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10396971)
鵜澤 成一 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30345285)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | FGF23 / Notch / Fibrous dysplasia / GNAS |
研究実績の概要 |
1998年1月ー2020年6月までに本学を受診し、線維性異形成症と病理組織学的に診断された8症例におけるNotch1, NICD, Hey1, FGF23の発現をパラフィン切片を用いて免疫組織学的に解析した。全てのFD症例でこれらのタンパク質が発現しており、骨形成線維腫では陰性であることを確認できた。また、大阪大学歯学部よりEDTA脱灰したFD8症例のパラフィン切片を供与されたので、現在、これらの標本での免疫染色を準備中である。今後、これらの因子の発現が同一細胞に発現しているかを蛍光抗体免疫染色でさらに検討する予定である。現在までに5例の線維性異形成症患者(孤立性)の血清FGF23、リン、カルシウム値を測定し全ての症例でFGF23値が上昇していたが、低リン血症を呈する症例は認められなかった。また、1件のMaCune-Albrigt症候群では血清FF23が孤立性線維性異形成症より高値で、血清リン値は正常下限であった。これらのことより、顎骨の孤立性線維性異形成症では病変が十分に大きくないために血清FF23値は正常値を越えるが低リン血症を惹起するまでの高値にならないと考えられた。 UMR106細胞、IDG-SW3骨細胞用細胞株を用いてFGF23産生におけるNotchシグナルの関与を解析し、Noychシグナル分子によるFGF23産生上昇を確認した。Notchシグナル伝達経路活性化物質であるYhhu 3972をIDG-SW3細胞に添加すると核内のNICDタンパク質の上昇傾向が見られた。さらに、UMR106細胞、IDG-SW43細胞にウイルスでNICD-ER2を感染させ、3日目にタモキシフェン処理するとNotchの標的遺伝子HeyとFGF23の発現が上昇することを確認した。 現在、骨髄間葉系細胞、前骨芽細胞、骨細胞などにGNAS変異遺伝子が過剰発現するマウスを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で一時期実験が中断したため、全体的な研究がやや遅れている。また、研究分担者の他大学での倫理委員会での承認が遅れたために、線維性骨異形成症の症例数を十分に集めるのが困難だったために臨床サンプルの軌跡がやや遅れている。GNAS変異を呈する遺伝子改変マウスの作製がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
線維性骨形成症の症例をさらに増加させ、FGF23発現とNotchシグナルの関与をさらん詳細に解析する。GNAS変異を呈する遺伝子改変マウスを用いた動物実験によりFGF23の制御におけるNotch関連分子の役割をさらに詳細に解析する。培養細胞を用いてNotchシグナルによるFGF23制御機構を明らかにする。
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