研究課題/領域番号 |
20H03900
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄司 憲明 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70250800)
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研究分担者 |
坪井 明人 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (00241646)
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 講師 (50641875)
佐藤 しづ子 東北大学, 大学病院, 助教 (60225274)
駒井 三千夫 東北大学, 農学研究科, 名誉教授 (80143022)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 味覚障害 / うま味感受性低下 / 高齢者 / 食欲不振 / 栄養不良 |
研究実績の概要 |
我が国では、超高齢化や食生活の変化などを背景に味覚障害を有する高齢者が急増している。味覚障害は単なる感覚障害にとどまらず、食欲不振から体重減少、さらに体調不良に直結することから社会問題になっている。我々は、他の基本4味(甘味、塩味、酸味、苦味)の感受性は正常でありながら、「うま味」の感受性のみが低下するために極度の食欲不振に陥る高齢者を数多く経験し報告している。 本研究では、高齢者の健康状態の悪化に直結する「うま味感受性低下」の原因について、我々が開発したうま味感受性検査法(Satoh S, Shoji N et al. PLoS One, 2014)による認知閾値を指標として、唾液中グルタミン酸塩の定量を行い、『うま味感受性低下』の原因を明らかにする。 2022年度は、味覚を主訴として東北大学病院を受診した患者を対象として、以下のデータ収集を行った。①医療面接:患者背景、年齢、性別、原疾患、既往歴、アンケート調査による味覚の変化。②味覚検査:a)電気味覚検査、b)濾紙ディスク法による5基本味に対する味覚閾値測定:基本4味(甘味、塩味、酸味、苦味)は、テーストディスク(三和化学研究所)を使用。うま味はグルタミン酸ナトリウム水溶液5つの濃度を使用。③唾液検査:a 総唾液分泌量の測定、b 小唾液腺の唾液分泌量測定。④口腔真菌培養検査。⑤栄養状態評価:簡易栄養状態評価(MNA-SF)(Nesle社)、BMI測定。⑥摂取食品調査による摂取栄養評価:エクセル栄養君アドインソフト食事摂取頻度調査FFQg(株式会社 建帛社)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、研究途中からコロナ感染第8波となり、東北大学病院へ受診する味覚障害患者が激減した。そのため、2022年度に研究参加に同意を得られた被験者は極僅かとなり、研究は休止状態となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月から、日本におけるコロナ感染症の水準が、インフルエンザと同等の「5類」へ引き下げられ事が決定している。引き下げによって、東北大学病院を受診する味覚障害患者が、コロナ感染拡大以前に回復することが十分に望まれることから、来院した味覚障害に積極的に研究参加を促し、被験者数を増加させる。
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