研究課題/領域番号 |
20H03908
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
稲井 邦博 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (30313745)
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研究分担者 |
小林 英津子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20345268)
法木 左近 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30228374)
清水 昭伸 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80262880)
木戸 尚治 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (90314814)
平野 靖 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (90324459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 病理解剖用ロボット / 医療事故調査 / 医工連携 / オートプシー・イメージング / 人工知能 |
研究実績の概要 |
①全身解剖、最小侵襲解剖、低侵襲解剖の診断精度の比較検証:コロナウイルス感染に伴う緊急事態宣言発出と医療従事者保護の観点から病理解剖が事実上実施困難となり、研究遂行に不可欠な検体採取がほとんど実践できなかった。そのため、本格的な新規標本の収集が翌年以降への持ち越しとなった。 ②臓器反力・破壊力計測とそれに基づく低侵襲病理解剖用ロボットの開発:開発を担当する東京大学の長期ロックダウンに伴い、年度前半は自宅で実施できるロボットの基本設計に取り組み、年度後半より試作機の製作を開始した。年をまたいだ第四四半期より、試作機を活用して切削動作時の動作安定、振動制御などに取り組み、動物標本などの切削が可能であることを確認した。 ③AIを活用した死後経過時間推定法の確立と検証:新規解剖症例の激減に伴い、研究実施困難な緊急時の対策として保存していた既存のAi画像を用いてdeep learningを行い、死後経過時間推定に有用なパラメータの抽出に着手した。 ④Ai-CT画像からの臓器重量推定法の確立:AIを活用した肝臓および腎臓領域の抽出研究に着手し、肝臓に関してはV-Netを用いた肝領域抽出法を開発してその成果を発表した。 ⑤立体肺内部構造観察用教育ツール(e-text)の開発:e-test開発のための立体固定肺の表面形状、内部構造のCT画像、マイクロCT画像セット画像データを収集し、一部を⑥の研究に供与した。 ⑥CT画像の超解像度化・精細化技術の確立:立体固定した肺疾患のCT画像とマイクロCT画像をAI学習させる過程で1対1対応の学習から、汎用性のある学習方法への転換方法を探索し、その成果を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う研究機関のロックダウン、および医療従事者・研究者の安全性確保のため病理解剖件数が著しく低下した。それに伴い、多くの研究予定項目で研究実施に必要な症例数(検体数)の不足や機器開発が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
①全身解剖、最小侵襲解剖、低侵襲解剖の診断精度の比較検証:解剖数減少に伴う予定症例数の減少を鑑み、保存検体を活用した症例数の確保に勤めるとともに、Ai情報を加味した場合の、死因推定能力の向上について検討を進める。 ②臓器反力・破壊力計測とそれに基づく低侵襲病理解剖用ロボットの開発:ロボットアームの精度検証を進めて改良を行うとともに、実際の組織切削に伴う組織破壊の程度を検証する。 ③AIを活用した死後経過時間推定法の確立と検証:これまでに抽出したパラメータを活用し、実用化に向けて未知画像標本を活用した死後時間推定を実践する。 ④Ai-CT画像からの臓器重量推定法の確立:造機領域の自動抽出に関しては、とくに肝臓領域の抽出結果を活用して、肝萎縮生疾患の新たな鑑別方法を構築する。また、Ai用CT機の更新に伴い、CT画像からの体表面積推定を実施するために必要な全身CT画像セットの収集を開始する。 ⑤立体肺内部構造観察用教育ツール(e-text)の開発:e-text構築に必要となる画像データの蓄積を推進するとともに、立体図譜作成のための方法論を確立する。 ⑥CT画像の超解像度化・精細化技術の確立:臨床用CT画像から作成した高精細化画像とマイクロCT画像、病理組織所見との整合性検証に問題となる、AIが作成するfake画像作成を軽減させる対策に取り組む。
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