研究課題/領域番号 |
20H03921
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
新城 大輔 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他, 情報解析室長 (10707285)
|
研究分担者 |
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50270913)
森崎 菜穂 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 室長 (90721796)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 医療の質の評価 / 小児医療 |
研究実績の概要 |
2020年度においては、小児医療のエビデンス創出に必要なデータ収集、並びに、本研究の特徴の一つであるAdministrative database (DPC) と Registry database を連結したリンケージデータベースの構築準備を進めた。また、DPCデータ単独解析研究における解析用データセットの生成を進めた。 必要となるデータ収集について、厚労化研・DPC研究班へのデータ利用申請(NICU児、先天性心疾患児、抗菌薬投与患者等の個別の仮説検証に必要な最低限のデータに限る)および新生児臨床研究ネットワーク(通称NRNJ)へのNRN早産児・未熟児のレジストリデータの利用申請を行い、それぞれのデータを取得した。また、DPCデータおよびNRNデータを連結したリンケージデータベースの生成・解析を可能とするため、本邦の周産期センター宛に書面にてデータ利活用にかかる依頼を行い、承諾・同意を得た施設分について、一般社団法人診断群分類研究支援機構からDPCデータを取得し、リンケージデータベース作成の準備を整えることができた。 DPCデータ単独解析について、外部委託も活用してデータベース化・Fファイルからの新規変数作成等の処理を進め、NICU児死亡予測モデル開発等のための解析用基本データセットを生成したほか、早産児における人工呼吸期間延長をアウトカムとした予測モデルについては解析がほぼ完了した。下半期から非常勤研究員を雇用することができ、研究員の専門分野を考慮して小児抗菌薬に関する指標開発のプロジェクトに着手した。抗菌薬マスタの作成・検証、詳細研究計画の作成が完了し、DPC研究班へのデータ申請を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid19の対応に関する業務が生じたこと、および、研究代表者の所属変更に伴う業務引継ぎや退職までに完了させる必要がある研究外業務が生じたため、十分な研究時間を確保することが難しく、予定より少ない研究エフォートにならざるを得ない状況となった。そのため、本研究にかかるデータ取得の初動が遅くなり(データ取得は本研究のボトルネックの一つである)、研究全体としても後ろ倒しになりやや遅れた進捗となっている。例えば、当初予定していたNICU児死亡予測モデルの開発が今年度中に完了せず、解析用データセットの生成・基本解析のみとなったほか、非常勤研究員雇用開始時期が10月にずれ込むことによる解析進捗に遅延が生じることなどの影響を受けた。また、分担研究者においても「コロナ×こども本部」等の想定外業務が生じるなどの影響を受けている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究代表者の所属変更に伴い、コロナ対応関連業務が軽減される見込みであり、2021年度は予定通りの研究時間・エフォートを確保できる見込みと考えている。 NICU児死亡予測モデル開発について、新生児科医師等の研究協力者とweb会議を活用して頻度を上げて研究打ち合わせを行い、今年度上半期中に解析を完了させる予定である。早産児における人工呼吸期間延長をアウトカムとした予測モデルについて、解析結果等の最終確認を行い、論文執筆・投稿によりエビデンスの創出を進める。また、小児抗菌薬に関する指標開発のプロジェクトについて、指標の開発および施設間のばらつきの評価を行う解析に向けて、昨年度後半に整備した解析用端末を活用して効率的な解析実施を予定している。 更に、小児医療領域の重症度補正手法等の開発、リンケージデータベースの構築および初期解析を進める。
|