研究課題
胎児期や乳幼児期の環境要因が成長後の健康、疾患リスクにつながるというDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)説が提唱されいる。その分子メカニズムとして、これまでエピジェネティクス特にDNAメチル化に焦点が当てられ研究が進められているが、十分な立証には至っていない。本研究は、大規模な出生コホートから胎児期から幼児期の環境要因が学童期の健康リスク特に肥満・やせ、アレルギー、神経発達に及ぼす影響について、遺伝的背景を考慮してエピゲノムおよび腸内細菌メタゲノム解析の両面からアプローチし、遺伝子ー環境相互作用によるDOHaD分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。今年度は8歳児694名に対して対面調査を行い、血液検体、糞便を回収した。一塩基多型(SNPs)解析候補として代謝や疾患関連遺伝子を96SNPs選定し、条件検討により最適プライマーの選定を行い、多検体での解析フォーマットを確立した。また糞便からのDNA抽出方法を検証し、約900検体の糞便からDNAを抽出、保管している。その内の520検体について次世代シークエンサーにより16SrRNAデータを取得した。また疫学解析から出生前の母親の喫煙状況と子供の喘息リスクの関連、さらに妊娠中の栄養環境と子供の発達に与える影響について統計解析を行い、現在論文投稿中である。今後はさらにゲノム、エピゲノム、メタゲノムデータを取得し、分子疫学的解析を行う予定である。
3: やや遅れている
コロナ禍の影響で試薬の入手が困難であったため、当初の計画からはやや遅れている。
対面調査による検診、生体試料の収集を推進する。糞便検体からDNAを抽出し、メタゲノム解析を行う。これまでに抽出したDNAを用いてSNPs解析を行う。得られた遺伝子多型、メタゲノムデータを用いて分子疫学解析を実施する。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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