研究課題
環境中の微小粒子状物質(PM2.5)やタバコ煙の粒子成分の肺への影響と同時に心血管系への影響の重要性も疫学研究で明らかになっている。ナノテクノロジーは、新材料創出、医療応用、地域温暖化防止に関係する環境技術等に応用可能であり、社会への貢献が期待される一方、新規工業的ナノ素材の健康への影響に社会的関心が高まり、生体影響に関するリスク評価が求められている。本研究では、今後その応用が期待されているカーボンナノチューブを含む繊維状物質に注目し、心血管系に対する影響を実験的に明らかにすると同時に、国内外のカーボンナノチューブ/炭素繊維加工工場の労働現場を調査し、曝露評価および繊維状物質によるヒトの心血管機能への影響を検討し、初期の影響を予測するバイオマーカーの有効性を検証することを目的とする。本年度は、国内の炭素繊維加工工場で現場調査を実施し、アスベストモニタリングに基づき、労働環境中に飛散する繊維状物質量を測定し、電子顕微鏡でその形状を評価した。また、労働中にholter心電計を装着してもらい、粒子数の変化と心拍変動との関連を検討した。さらに、動脈硬化モデルであるApoE遺伝子欠損マウスに長さが異なるカーボンナノチューブを投与し、動脈硬化誘導機構におけるインフラマソーム構成タンパクの役割と長さの違いによる動脈硬化への影響を検討した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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