研究課題/領域番号 |
20H03936
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
黒田 悦史 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10299604)
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研究分担者 |
小池 英子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 室長 (60353538)
柳澤 利枝 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (70391167)
長竹 貴広 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, 主任研究員 (80608737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 眼免疫 / アレルギー / アジュバント / 準揮発性化学物質 |
研究実績の概要 |
アレルギー性疾患増加の要因のひとつとして環境化学物質の関与が指摘されている。しかしアレルギー性疾患発症の機序、特に抗原の感作に関しては不明な点が 多い。本研究ではアレルゲンと準揮発性有機化合物の眼曝露に着目し、これらの眼感作によりアレルギー性炎症が誘導されるか否かについて検討した。 初年度は眼免疫活性化の評価法確立のため抗原単独あるいは抗原にLPSをアジュバントとして加え点眼により感作し、涙道関連リンパ組織(TALT)あるいは鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)の免疫染色による組織学的解析およびフローサイトメーターによる細胞表面抗原の解析を行なった。点眼によりTALTおよびNALTにおいて胚中心B細胞の誘導が認められ、免疫応答の活性化が観察された。また点眼後に抗原を曝露することにより血清中のIgE誘導も観察された。 また次年度より使用する準揮発性化学物質について、点眼により感作するため溶媒について検討した。使用する化学物質として、DEHP、DINP、BPA、BPSの4種類を使用し、溶媒としてエタノールとDMSOを検討した。これらのうち、DEHP、DINPはDMSOあるいはエタノールに懸濁後にPBSにて希釈した際に白濁したため、PBS懸濁後に白濁を生じなかったBPA (Bisphenol A)およびBPS (Bisphenol S)の使用が実験するうえで妥当であると判断した。 さらに、BPAおよびBPSの環境中の1日最大曝露量からin vivoで使用するBPAおよびBPS量を算出し、マウスに対してその使用量で点眼での感作が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの感染拡大の問題により一部の実験に若干の遅れが出たが、2021年5月には遅れを挽回することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度よりBPAあるいはBPSなどの準揮発性化学物質を用いたin vivo実験をスタートする予定であり、計画通りである。
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