研究課題/領域番号 |
20H03943
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田中 恵太郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50217022)
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研究分担者 |
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
島ノ江 千里 佐賀大学, 医学部, 教授 (10734064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コーヒー / 肝機能検査 / 糖尿病 / がん / メンデルランダム化 |
研究成果の概要 |
コーヒー飲用が肝機能検査値、糖尿病、がん罹患に及ぼす改善効果について、佐賀市民約1万2千人のコホート研究のデータを用いる観察研究とメンデルランダム化(MR)解析を行った。コーヒー飲用と肝機能検査値(AST, ALT, gamma-GTP)に関する横断研究では、観察研究とMR解析の両方で有意な負の関連が観察され、コーヒー飲用が肝機能検査値を低下させる因果関係の可能性が示唆された。一方、コーヒーと糖尿病罹患の縦断研究、コーヒーとがん罹患(全癌、肝癌、乳癌、大腸癌、子宮体癌、前立腺癌)のコホート研究では、有意な関連を得られなかった。コーヒーと糖尿病・がんについては、より大規模なMR解析が必要である。
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自由記述の分野 |
疫学、予防医学、公衆衛生学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、観察研究においてコーヒー飲用と肝機能検査値低下の関連が極めて一貫しているにもかかわらず、コーヒー飲用が肝機能検査値低下を引き起こしたのか、肝機能検査値上昇がコーヒー飲用を減少させたのか(いわゆる「因果の逆転」)を区別できないという問題と喫煙などによる残余交絡の問題が解決されていないのに対して、MR解析という一定の解決策を講じた結果を呈示できた点にある。社会的意義としては、MR解析の結果として、コーヒー飲用が肝機能検査値を改善させる可能性が高まった事により、肝機能検査値改善のために、より積極的な意味でコーヒー飲用を勧奨できる様になった点が挙げられる。
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