研究課題
コホート調査によってこれまでに得られた各種検体(皮膚AGEs、尿中AGEなど)と疫学情報(発達情報や環境情報など)を統合的に用いて、思春期の社会的ストレス、思春期の終末糖化産物(AGEs)、メンタルヘルスの縦断的な関連を検証した。具体的には、12歳、14歳、16歳の4時点のコホートデータを用いて、12歳時のいじめ被害(社会ストレス)、14歳時の終末糖化産物、16歳児のメンタルヘルス指標との関連をパス解析によって検証した。その結果、いじめが終末糖化産物の上昇を予測し、上昇した終末糖化産物が、幻聴・妄想、注意の問題、不安や衝動性などのメンタルヘルス問題を予測することが明らかになった(Miyasita & Nishida et al., in submission)。このことから思春期の社会ストレス(いじめ)を予防することが、終末糖化産物の上昇とその後のメンタルヘルス不調を予防する可能性が示唆された。また、収集した脱落乳歯を使用して胎生期に曝露された終末糖化産物の量を推定し、それらと思春期のメンタルヘルス指標との関連を検証した。その結果、乳歯中に含まれる一部の終末糖化産物(CMA)と思春期の精神病症状(幻覚や妄想様の症状体験)との間に有意な関連がみられることが明らかになった。このことから妊娠中の終末糖化産物の曝露を予防することが、思春期のメンタルヘルスの増進に寄与する可能性が示唆された。以上により、胎生期および思春期の終末糖化産物の蓄積を予防することが、思春期のメンタルヘルスの増進に寄与する可能性が明らかとなった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Mol Psychiatry
巻: in press ページ: in press
10.1038/s41380-023-02382-8
Schizophrenia (Heidelb)
巻: 9(1) ページ: 14-14
10.1038/s41537-023-00340-5
http://ttcp.umin.jp/