研究課題/領域番号 |
20H03957
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10364077)
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研究分担者 |
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00244731)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大動脈瘤 / 突然死 |
研究成果の概要 |
われわれは、腹部大動にCaCl2を塗布すると、大動脈内にマクロファージが浸潤し、CCL3およびMMP-9の発現が亢進し、腹部大動脈瘤が誘導されることを見出した。Ccl3-/-およびCcr5-/-マウスの両者は、マクロファージ浸潤とMMP-9発現の増大を伴うCaCl2誘発腹部大動脈瘤を増悪させた。CCL3の中和は、CaCl2処理したCcl3-/-マウスと同様の表現型を示した。逆に、CCL3投与は野生型マウスとCcl3-/-マウスの両方でCaCl2誘発腹部大動脈瘤を減弱させた。従って、CCL3はMMP-9の発現を抑制することにより、CaCl2誘発腹部大動脈瘤発症を予防するのに効果を発揮しうる。
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自由記述の分野 |
実験病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の実験的研究は、CCL3-CCR5経路がAAA形成において保護的な役割を果たしていることを示している。白人のかなりの割合がヒトCCR5遺伝子にΔ32と呼ばれる32塩基対の欠失対立遺伝子を有しており、CCR5 Δ32変異を持つホモ接合体は、Ccr5-/-マウスと同様に機能的なCCR5タンパク質を発現しない。CCR5 Δ32変異はAAAの発症率を増加させたが、これはCaCl2-あるいはAngiotensin IIで処理したCcr5-/-マウスにおける我々の観察と一致していた。したがって、動脈瘤に対するCCL3の治療活性を検討することは妥当である。
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