• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

2週間ホルター心電図を用いた夜勤・交代勤務者の心拍サーカディアンリズムの長期評価

研究課題

研究課題/領域番号 20H03961
研究機関神戸常盤大学

研究代表者

塩谷 英之  神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (00294231)

研究分担者 石井 豊恵  神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00452433)
古賀 由希子  神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (50869378)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード2週間ホルター心電図 / 夜勤交代勤務者 / 心拍概日リズム
研究実績の概要

夜勤・交代勤務従事者を対象に、2週間連続測定が可能なホルター心電図を用いて長期的な心拍概日リズムを検討した。
夜勤・交代勤務(2交代制16時間夜勤)に従事する看護師9名を対象にフクダ電子社製「ホルター記録器WR-100 1ch」を装着し、入浴時も含めた日常生活における心電図を14日間連続で記録した。そして、得られた計121日分の心拍数データについて心拍概日リズムを検討するため周期回帰分析を行い、重寄与率(R2)、平均値、振幅、位相時間を評価した。これらのリズム評価を日勤(36日分)、夜勤(16日分)、夜勤明け(17日分)、夜勤明け翌日(16日分)に分けて比較検討した。主観的睡眠の質については、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いて評価した。
対象者は女性6名男性3名、年齢32.6±4.1歳、夜勤交代勤務経験年数10.1±3.8年であった。PSQI点数は5.4±2.8点であった。重寄与率(R2)は、日勤では0.74±0.17であったのに比べ、夜勤では0.41±0.15と有意に低下していた。また、夜勤明け(0.51±0.23)、夜勤明け翌日(0.48±0.19)も日勤に比べ有意に低下していた。また、振幅も日勤では15.9±5.0であるのに対し、夜勤では9.5±3.0と有意に低下しており、夜勤明け(10.9±5.7)、夜勤明け翌日(10.8±3.6)においても日勤に比べて有意に低下していた。一方、位相時間に関しては、夜勤で17.8±1.9であり日勤(15.1±1.3)と比較して有意に後退していたが、夜勤明け、夜勤明け翌日においては日勤と比較して有意差は認められなかった。
日勤に比べて夜勤では心拍概日リズムが崩れることが示され、夜勤明け翌日においても心拍概日リズムが回復しきらないことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和3年1月から夜勤交代勤務者のデータ収集を開始し、新型コロナウイルスの感染再拡大によるデータ収集の中断をはさみながらも令和3年12月時点で9例のデータが集まった。9例のデータに対して周期回帰分析を行い、コサイン波形としての有意性、一致率、位相時間等を算出し、夜勤交代勤務者の心拍概日リズムを検討した。その結果、研究実績の概要に示す通り夜勤交代勤務による心拍概日リズムへの影響について有意義な結果が得られた。今後さらに被検者数を増やし検討を進めていく。また、研究成果について国内外への発表を行っていく。

今後の研究の推進方策

今後、夜勤交代勤務者の心拍概日リズムを周波数解析によって自律神経活動の観点からも夜勤交代勤務による影響を検討する予定である。
これまでの解析により、日勤に比べて夜勤では心拍概日リズムが崩れ、夜勤明け翌日においても心拍概日リズムが回復しきらないとの結果が得られていることから、最終的には夜勤明け翌日において睡眠負債を解消しながら心拍概日リズムを回復させていく生活上の工夫について被験者から得られた結果を詳細に検討することにより明らかにしていく。
さらに、夜勤交代勤務者だけでなく現在社会問題ともなっている、若者を中心としたSocial Jetlagの解決法についても今回の研究から具体的な方策を明らかにしていく所存である。
上記の結果をまとめ、国内の学会発表(日本睡眠学会、日本時間生物学会を予定している)および海外学術誌への投稿を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 2週間ホルター心電図を用いた夜勤・交代勤務者の心拍サーカディアンリズムの長期評価2022

    • 著者名/発表者名
      丹智絵子、峯山 佳恵、塩谷英之
    • 学会等名
      日本睡眠学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi