研究課題/領域番号 |
20H03969
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研究機関 | 一宮研伸大学 |
研究代表者 |
白鳥 さつき 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (20291859)
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研究分担者 |
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
葉山 有香 同志社女子大学, 看護学部, 専任講師 (30438238)
山幡 朗子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (40440755)
出原 弥和 太成学院大学, 看護学部, 教授 (80320985)
鈴江 智恵 一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (40807319)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | シクロホスファミド / 尿 / 唾液 / 医療従事者 / 病院職員 / 抗がん薬曝露 / 閉鎖式 |
研究実績の概要 |
本研究は,①抗がん薬を扱う病棟・外来に勤務する病院職員(医師,看護師,薬剤師,看護助手,事務職員,清掃職員)の唾液と尿のシクロホスファミド(以下,CPA)定量測定によって含有量(被ばくの実際)を明らかにすること,②これらの職種のガイドラインの遵守の実際と認識を明らかにし,職種間による認識の差や防護行動の違いを明らかにすることを目的とした。2020年度は東海地区の外来がん化学療法を実施している病院を複数選出し,施設責任者の承諾を得た7施設で調査を実施した。対象は医師1名,看護師21名,薬剤師6名の計28名で,全員から唾液と尿の検体を得られた。同時に,抗がん薬曝露対策について質問紙調査を実施した。目的としていた事務職員や清掃職員,助手の職種については外部委託であり協力を得ることは困難で調査には至らなかった。調査にあたっては所属機関の倫理審査の承認を得たのち,調査を実施する施設の倫理審査の承認を得る手続きを取った。唾液はCPAを使用した当日の夕方採取し,尿は体内に取り込まれる時間を考慮して翌朝,採取した。CPA使用量は849mgから4460㎎までと幅があった。薬剤師の協力が得られた3施設ではすべてが曝露対策として調剤を生物学的安全キャビネット内またはアイソレーター内で実施していた。看護師では閉鎖式薬物混合器具(Closed system drug-transfer device.以下CSTD )を使用したと回答した施設は7施設中5施設,手袋は7施設で一重,プラスチックガウン以外のガウン,サージカルマスクという回答であった。28名中1名が尿中からCPAが検出された。今後,曝露対策の詳細とデータを突き合わせ,分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
病院職員の尿および唾液内のシクロホスファミド(以下、CPA)含有量の調査につき、2020年度は東海地区の外来がん化学療法を実施している病院を複数選出し, 7施設の施設責任者から許諾を得、倫理審査の承認を得て調査を実施することができた。対象は医師1名,看護師21名,薬剤師6名の計28名で,全員から唾液と尿の検体を得られた。CPA使用当日の抗がん薬曝露対策の実施状況について、同時に質問紙調査を全員に実施した。現在、それぞれが実施していた日常的な曝露対策と分析結果との突合せを進めている。本研究の目的である、医療従事者以外の病院職員の調査については、清掃員や事務職員、荷物の搬送係などは雇用が外部委託のため許可が得られにくく実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,以下の予定で調査を実施する。①2020年度に調査の協力に承諾を得た病院にて引き続き尿および唾液検査を実施する。②東海地方と関東甲信越地方に協力を得られる施設を選定し依頼する。現在までに調査を実施した施設は,500床以上で比較的設備が整っている施設であり,全体を把握するために300床以上500床未満の施設も調査を予定する。さらに,施設間および職種間の差を明らかにする必要があるため看護師以外の職種についても範囲を広げて調査を予定している。
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