研究課題
ヒトは内在性に約25時間を「1日」とするリズムを有しており、光と食事によって中枢時計と末梢時計を毎日リセットして、地球の自転と同調した24時間周期の生活を送っている。中枢時計は脳内に存在し、光で針合わせをした時刻を神経やホルモンを介して末梢臓器に伝えている。一方、末梢の各臓器には組織特異的な末梢時計があり、食事等のシグナルによって独自に針合わせをしている。従って、ヒトでは「昼間の覚醒中は光を浴びて食事を摂り、夜間の睡眠中は光を遮断して摂食しない」ことによって、中枢時計と末梢時計が同調し、安定した概日リズムが形成される。現代の女性は、一日中照明やモバイル端末の光を浴び、ダイエットによる痩せ志向が強い。この特徴は妊娠中にも認められ、光刺激と食事刺激がヒト本来の昼夜のサイクルから逸脱している妊婦が多数存在すると推測される。また、胎児は胎生後期になると母親と同期した日周性のリズムを示すが、これには、母親の体内で光刺激や食事刺激のリズムがホルモン等の物質に変換され、母体から胎児に輸送されることが関わっていると考えられる。さらに、産後の母親は夜間も育児をしており、概日リズムが乱れやすい生活を送っていると思われる。本研究の目的は、周産期における概日リズムの整調が親と子の健常性維持に有効かどうかを確かめることである。令和5年度は、モデル動物を用いた論文を発表したほか、産褥期の母親を対象とした質問紙調査の論文を作成した。妊産褥婦を対象としたヒト検体を用いた検討は、対象者への新型コロナウイルス感染回避が困難なため実施できなかった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Pharmacological Sciences
巻: 153 ページ: 215~220
10.1016/j.jphs.2023.10.001