研究課題
こどものケアニーズを把握することは看護の要であるが、発達や個性を含め、こどもの持つ能力を把握することの難しさは先行研究から明らかになっている。本研究では、こどもの生活と発達の「見えづらさ」の視点で、急性期医療、重症心身障害、学童、保育園、特別支援学校、在宅を含めた状況で、支援者がどのような実践を行っているか、インタビューを行った。こどものセルフケア看護理論を基盤としながら、状況特定理論の構築に取り組んでいる。保育所に勤務する保育士5名と看護師3名にインタビュー調査を実施した結果、保育士、看護師ともに「子どもの発達や生活習慣の気になる様子」から「見えづらさ」を感じていたが、置かれている立場や経験の違いが、「見えづらさ」の捉えや支援に影響を及ぼしていた。地域で子どもを支援する専門家等へのインタビュー結果では、個人主義的な世間のあり様など社会要因の他、子ども自身が意図的に見せないなどの要因が明らかとなった。知的障がいのあるこどもを支援する特別支援学校3校の教諭14名を対象としたインタビュー調査等では、こどもの知的障がい、こどもとかかわる教諭と保護者の認識等の違い、教育システムによる要因から生じていることが抽出された。施設に長期入所する重症心身障害児ケアを行っている14名の支援者へインタビューを行った結果は、こどもと家族のつながりを継続することや、障害からくる生活特性、機能低下による「見えづらさ」が特徴的であった。小児集中治療の場で看護師が捉えるこどもの力の「見えづらさ」とこどもの力を引き出す看護をM-GTAによる質的記述的研究を行った結果、鎮静下・不安定な状態にあるこどもの力の「見えづらさ」と増幅させる要因が明らかになった。入院から在宅生活に移行する医療的ケア児と親では、こどもの要因と親の要因とこどもと親が変化/・適応していくゆえの「見えづら」さが明らかになった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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