研究課題/領域番号 |
20H04012
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
佐々木 明子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (20167430)
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研究分担者 |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
金屋 佑子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (60755205)
塩満 智子 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 講師 (90468025)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者 / 連想法 / 介護予防 / 国際研究 |
研究実績の概要 |
高齢者における回想にとどまらない、過去から現在、現在から過去につながる時間軸で想起を促す「連想法」は、認知機能低下防止とQOLの維持・向上、社会交流の推進に一定の効果があることが明らかにされつつあるが、文化や生活の異なる国の高齢者ヘの活用の検証はまだ行われていない。そこで、北欧のフィンランドにおいて、高齢者の介護予防における「連想法」を実施するために、フィンランドの文化や生活に根ざした連想法の素材の開発とフィンランド人へのファシリテーター養成の視聴覚教材を開発して研修を行った。 「連想法」の素材として、家族(両親と子ども、祖父母など)、行事と文化(イースター、サウナなど)、趣味(音楽など)、食べ物(ラズベリーなど)、動物(トナカイなど)、自然(オーロラなど)、植物(ライラックなど)、季節(冬など)に関するものなど89種類が収集できた。これらをすべてフィンランド語の説明を加えた素材として開発した。 開発した連想法の素材を使用してフィンランド人へのファシリテーター養成研修を行った結果、参加者からは開発したフィンランドの生活や文化に根ざした素材は高齢者が過去と現在を想起する素材として適切であるが、旅行や、仕事の様子などを加えるとさらに想起を促すことが提言された。 また、「連想法」を多くのファシリテーターが理解する方法の一つとして、視聴覚教材は有効であるが、実際の素材を通してグループで行う研修では、参加者相互の想起やコミュニケーションを促進する方法を体験できるため、より有効性が高いことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、高齢者の施設の受け入れ制限や外出自粛などの影響により、高齢者がグループで「連想法」を実施するには至らず、連想法において活用する素材の開発やファシリテーター養成を推進した。
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今後の研究の推進方策 |
北欧のフィンランドにおいて、現地の研究者や実践者と連携し、地域在住の高齢者が集う10か所の施設において、「連想法」を高齢者にグループで実施し、効果の検証を行う予定である。
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