研究課題/領域番号 |
20H04021
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
増野 園惠 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (10316052)
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研究分担者 |
松尾 香織 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (30869293)
勝沼 志保里 宮城大学, 看護学群, 講師 (10794323)
林 知里 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (50454666)
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
澤田 雅浩 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 准教授 (00329343)
藤井 愛海 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (20845713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大規模災害 / 地域ケアシステム / アクションリサーチ / 復興政策 / 健康施策 |
研究実績の概要 |
大規模災害によって甚大な被害を受けた地域コミュニティにおける持続可能な地域ケア体制の構築戦略を明らかにする目的で、前年度に引き続き、過去の主要災害におけるコミュニティ復興の取り組み事例の収集を行った。また、東日本大震災の被災地域においてアクションリサーチに取り組んだ。 過去の取り組み事例の収集では、前年度収集した事例資料の整理分析を進めると共に、新たにコロナ禍で延期していた海外事例の収集を行った。海外事例としては、台湾921地震および88水害のそれぞれの被災地域を訪問し、地域復興の取り組みを視察と関係者からのヒアリングより調査した。また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行も一種の災害と捉え、保健医療システムの持続性に係る要因を日本の状況と比較するために、モンゴルでの新型コロナウイルス感染症への対応状況や地域のヘルスシステムへの影響について情報収集を行った。 アクションリサーチ(AR)は、宮城県A市において被災後より継続されていた看護職OGらによる地域住民の健康支援活動の持続可能性について、カウンターパートと共に課題を整理し、資金・人的資源等を含めた体制強化に向けた対策およびその取り組み方法を展開している。資金面では、地域活性化等の活動に対する助成金の獲得に取り組み確保できた。活動をリードする人員の継承にも取り組み、安定的に活動を持続できる体制の強化を行った。 ARを通じ、健康支援活動の当事者らの自尊感情・自己肯定感が今後の活動の持続性に影響することが示唆されたため、当該地域でのこれまで活動の成果をまとめ、他の被災地域等との活動・成果共有を目的としたフォーラムセッション「災害看護でまちづくり」を開催した。セッションでは、AR実施地域の他、阪神・淡路大震災、平成30年西日本豪雨の各被災地での活動を共有し、災害後の地域住民の健康の回復・維持に向けた活動・体制のありようについて議論した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過年度の活動が新型コロナウイルス感染症の流行による移動制限・活動制限等のために進捗が遅れたため、研究全体についても遅れが生じている。既存資料およびオンラインでのヒアリング等代替手段を用いてデータ収集を進め、制限の段階的な解除により現地視察や直接面談等も徐々に可能となったため、計画を修正しながら遅れを取り戻している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
収集した過去の取り組み事例を事例ごとに整理するとともに、事例間の比較検討を行う。また、アクションリサーチの介入とその評価を進め、これまでの実施結果を分析し、成果をまとめる。研究進捗の遅れはほぼ取り返しているためが、残る課題の整理、代替え方法の検討等を行い、研究を推進する予定である。
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